原子力規制委員会は26日、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の審査会合を開き、原子炉建屋の直下に活断層がある恐れが否定できないとして、新規制基準に適合しないと結論づけた。再稼働に向けた申請は不許可となる公算が大きいが、原電が追加調査を判断材料に加えることを求めているため、規制委は今後、対応を検討する。

 2012年に規制委が発足して以来、これまでに再稼働に向けた審査を申請した原発27基のうち、17基が新規制基準に適合すると認められ、許可された。一方、不許可は例がない。

 新規制基準は約12万~13万年前以降に活動した可能性が否定できない断層を活断層とみなし、原子炉建屋など重要施設の直下に活断層がある原発は運転を認めていない。

 今回の審査では、2号機から北に約300メートルの掘削溝(トレンチ)で見つかった「K断層」が活断層か、K断層が2号機の原子炉建屋の直下まで延びているかが焦点だった。

 原電は、現地の地層の分析結果から、K断層は活断層ではないと主張。K断層の南で行ったボーリング調査では、K断層に似た断層は確認されておらず、原子炉建屋の直下まで延びていないと主張したが、規制委は「科学的、技術的な根拠が乏しい」と退けた。

 一方、この日の審査会合では原電がこれまでの申請内容に新たな調査を加えたいと要望したため、規制委は今後、原電が求める追加調査を最終的な判断材料に加えるかどうか、対応を議論する方針。(矢田文、福地慶太郎)

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