原子力規制委員会は31日、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の再稼働に向けた申請を不許可とするかどうかの最終判断を前に、8月2日に同社の村松衛社長から意見聴取することを決めた。原電は追加調査の提出と審査継続を求めているが、規制委は、新規制基準に適合しないと結論づけており、覆すのは厳しい状況だ。
新規制基準では、活断層の真上に原子炉建屋などの重要施設を建てることを認めていない。規制委は7月26日の審査会合で、敦賀2号機の原子炉建屋の直下に活断層がある恐れは否定できないとして、新規制基準に適合しないと結論づけた。
このままでは再稼働に向けた申請は不許可になる見通しだが、原電は審査会合の場で、今後行う追加調査のデータを判断材料に加え、審査を継続するよう要望。規制委は31日の定例会で「先方が説明したいと言っているので話を聞いた方がよい」などとして、社長から聴取することを決めた。
ただ、山中伸介委員長は定例会後の記者会見で「審査の結論を崩す根拠が短期間に得られるとは予測していない」と発言。すでに審査会合で議論した内容で、最終判断する考えを改めて示した。(矢田文、福地慶太郎)
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