「GDS2024世界デジタルサミット」で講演する米スタンフォード大学のアンドリュー・ング兼任教授(1日、東京都千代田区)

米スタンフォード大学のアンドリュー・ング兼任教授は1日、「GDS2024世界デジタルサミット」(主催:日本経済新聞社)で講演した。生成AI(人工知能)の浸透についてこれまでより速く、低コストにアプリケーションが開発できるとして「文化的なシフトを起こしている」と話した。

ング氏はAIのこれまでの進歩について振り返り「過去10年は教師型学習のAIだったが、今後10年は生成AIの時代になる」とした。生成AIの活用事例として米オープンAIのチャットGPTのようにネット上で使えるツールだけでなく、ソフトウエア自体の開発にも大きな影響をもたらしていると指摘した。

これまで数カ月かかっていたソフトウエア開発が1週間程度に短縮されることで、効率的な開発ができるとした。ソフトウエア開発の参入障壁が下がり「迅速に低コストで開発できるなど、文化的なシフトが起こっている」と話した。

AIによって生まれる機会に関しては、AI開発に必要な半導体などの技術だけでなく、AIを活用したアプリ開発に注力すべきだと強調した。自身が設立したファンドで支援している船舶の運航合理化を手掛けるスタートアップの事例を紹介した。

AIのリスクについて、労働力にどのような影響を及ぼすかを踏まえるとリスキリングが重要になると指摘した。ガバナンスの観点では、AI自体ではなくAIを使ったアプリごとにどのように安全性を保つか考える必要があるとした。

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