厚生労働省の専門部会は1日、米製薬大手イーライリリーが開発したアルツハイマー病新薬「ドナネマブ(商品名ケサンラ)」の製造販売の承認を了承した。厚労省は近く承認する見通し。病気の原因物質を除去して進行抑制を狙う新しいタイプの治療薬で、昨年実用化されたエーザイなどの「レカネマブ」に続き2例目となる。
アルツハイマー病は、脳内に蓄積して神経細胞を傷つける「アミロイドベータ」と呼ばれるタンパク質が原因と考えられており、ドナネマブはこのタンパク質にくっついて除去する。
臨床試験(治験)では、使用開始1年半後に症状の進行が22%抑制された。一方で脳のむくみや微少な出血が36%報告され、投与との関連が疑われる死亡も3例あった。
米食品医薬品局(FDA)は7月にドナネマブを承認した。1年分の費用は3万2千ドル(約480万円)。
認知機能に障害のある高齢者の割合は増加傾向で、2060年の認知症とその前段階の軽度認知障害(MCI)の高齢者は計1277万人と推計される。
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