STマイクロはマイコンシェアで世界首位

スイスの半導体大手、STマイクロエレクトロニクスは電力効率を5割以上高めた演算用半導体を開発した。マイコンと呼ばれる半導体で、性能を示す半導体チップの回路線幅は18ナノ(ナノは10億分の1)メートルと、家電や産業機器などに使われる汎用マイコンとしては業界で最も微細だという。

18ナノを採用した「STM32マイコン」は2024年後半にサンプル出荷を始め、25年後半に量産を開始する。これまでSTマイクロでは40ナノがもっとも微細だった。18ナノ採用のマイコンは従来品と比べ処理性能が高まるため、同じ計算をする場合の消費電力を抑えられる。

マイコンは電子機器の頭脳を担う半導体。記憶を担うメモリーなどと組み合わせて内蔵する。マイコンの線幅を細くして小型化することで、その分メモリーを大容量化するなど他の機能を増強できる利点もある。

英調査会社のオムディアによると、STマイクロは22年時点でマイコンのシェアが17%と世界首位だった。2位はルネサスエレクトロニクス、3位は蘭NXPセミコンダクターズだった。マイコンは車載や家電、産業機器に幅広く使われ、競争が激しい。

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