年間の劣化率を1%未満に抑えた新型NAS電池を台湾に納入する

日本ガイシは22日、台湾の公営電力会社である台湾電力向けに大容量蓄電池「NAS電池」を受注したと発表した。実証実験として25年に運転を開始する見込み。台湾では再生可能エネルギーへの転換が進んでおり、需給調整に寄与する蓄電池の需要が高まっている。従来より劣化率が低い新型のNAS電池を投入し、将来の受注拡大につなげる。

NAS電池は台湾北部の新北市にある台湾電力の総合研究所に設置される。出力は最大1000キロワット、容量は5800キロワット時となる見通し。NAS電池は独化学メーカーBASFの子会社と共同開発した、改良型の「NAS MODEL L24」を使う。蓄電池は充電のたびに発電出力が落ちるが、新型では年間で1%未満の劣化率を実現した。

台湾では再エネの比率を50年までに60〜70%まで高める目標を掲げている。その一方で半導体関連産業の成長で電力需要も高まっており、電力需給の調整に加えて供給の安定化も課題となっていた。日本ガイシは台湾の離島、金門島でNAS電池の実証実験をおこなっているが、台湾本島でも本格導入につなげたい考えがある。

NAS電池は欧州の再生可能エネルギー向けに導入が進んでいる。海外大型案件の受注や出荷を受け、NAS電池を中心としたエナジーストレージ事業の売上高は、25年3月期で前期比約8倍の160億円へと高まる見通しだ。

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