中小向け財務ソフトのインテュイットはAIの導入を25年に加速する=ロイター

【シリコンバレー=山田遼太郎】米会計ソフト大手のインテュイットが22日に発表した2024年7月期通期決算は、売上高が前の期比13%増の162億8500万ドル(約2兆3700億円)だった。人工知能(AI)を搭載した中小企業向け財務管理ソフトが好調で、純利益は24%増の29億6300万ドルだった。

25年7月期通期の売上高は前期比12〜13%増の181億〜183億ドル、1株利益は18〜20%増の12ドル34セント〜12ドル54セントになるとの見通しを示した。

堅調な業績予想を受け、22日の米株式市場の時間外取引で株価は同日終値から一時3%上昇した。同日終値は665ドル。

ササン・グダルジ最高経営責任者(CEO)は決算説明会で「次の1年で投資を増やし、生成AIを使う財務アシスタントを大規模に展開する」と語った。

インテュイットは中小企業や個人事業主向けの財務管理ソフト「クイックブックス」や納税支援ソフト「ターボタックス」を手がける。これらの主力製品にAIを組み込んでいる。AIが利用者の質問に答え、作業時間を短縮する。

24年7月期はクイックブックスなど中小企業向け事業の売上高が前期比19%増となり、業績をけん引した。グダルジ氏は米国を中心とした中小企業の景況感について「安定している。当社の顧客は全体として収入と利益が前年比で増えた」と述べた。

AI活用への期待もあり株価は高値圏で推移し、過去1年で36%上昇した。上昇率は法人向けソフト大手の米セールスフォース(24%増)を上回る。22日時点の時価総額は1859億ドルで、日本円に換算すると約27兆円に上る。

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