東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を巡り、同県の花角英世知事は23日、焦点となっている「地元同意」を自身が判断する時期について「遅くとも(次の)知事選までに判断できる」との見通しを報道陣に語った。花角知事が地元同意の判断の時期に言及するのは初めて。
花角知事は2022年5月に再選され、任期を全うすれば次の知事選は2年後になる。再稼働の是非について判断するには県民の理解が前提となるとの立場をかねて示しており、「遅くとも知事選までには県民の意思も固まるだろう」とし、「それを受けて私の判断もできることになる」と語った。その上で「避難の課題などについて議論を深め、県民の意思が固まるのを待って判断したい」と述べた。花角知事は21日、阿賀野市で開かれた市町村長との懇談会で同様の発言をしたという。
この言及について、柏崎市の桜井雅浩市長は23日、取材に「気候変動や激甚災害が多発する状況の中、新潟県の事情だけで判断を先延ばしにすることはあり得ない」と批判した。知事が「遅くとも」と前置きしていることについても「遅くなったらそこまでになるということ。その時間軸は私の時間軸とは全く違う」とした。
桜井市長は22日、東電から要請があれば再稼働を容認すると表明している。(井上充昌)
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