北海道・知床半島の羅臼町沿岸に、タラバガニの子どもが姿を見せている。親と同様に全身トゲだらけ。小さな個体は甲羅のサイズが3ミリほどで、生後数カ月とみられる。かわいらしい姿がダイバーの人気を集めている。

 タラバガニは、オホーツク海やベーリング海、北極海などに分布する。「カニの王様」と呼ばれるがヤドカリの仲間で、成長すると脚を広げた大きさが1メートルを超す。

 北海道立総合研究機構稚内水産試験場の田村亮一主査によると、タラバガニはふだん、海の深い場所で暮らすが、腹部に卵を抱えたメスは沿岸の浅い海域に移動。春に孵化(ふか)した幼生を海中に放出する。

 幼生期を経て、海底での生活を始めた稚ガニは、沿岸の浅い海で成長する。生まれてから親になるまでには、6年ほどかかる。

 この海域で観察を続ける水中写真家の関勝則さんによると、沿岸で成長した稚ガニは、甲羅の大きさが5センチを超すと、海の深い場所へと姿を消していくという。(山本智之)

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