海洋研究開発機構が海底火山の観測に使う装置

東京都と海洋研究開発機構(JAMSTEC、神奈川県横須賀市)は11月から、都が所有する海底光ファイバーケーブルを利用した海底火山の試験観測を始める。ケーブルを引き上げる伊豆大島と三宅島の2カ所に装置を設置する。ケーブル全体を地震計として利用し、火山防災に役立てる。

9月から観測開始に向けた機器の設置を始める。普段、通信に使っていない予備の光ファイバーを活用する。揺れがケーブルに伝わるとわずかに伸び縮みし、観測装置から出したレーザー光が反射して返ってくる時間が変化する。それを計測することで、マグマの移動にともなう火山性の微弱な地震を検知できる。

付近には海底地震計がなく、大事な兆候を見逃している可能性があるという。海底地震計を設置すると数億円かかるが、今回の観測装置は既存ケーブルを使えるため数千万円で済む。得られたデータは研究用に使う。5年後をめどに東京都や気象庁にデータを提供し、海底火山の監視への活用を想定する。

【関連記事】

  • ・JAMSTEC、海底ケーブルで津波観測 予報に活用可能性も
  • ・JAMSTEC、海洋調査の最前線担う ロケット部品も回収

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。