日英で高温ガス炉の燃料の共同開発を進める

日本原子力研究開発機構は23日、次世代の原子力発電所の一つである「高温ガス炉(HTGR)」に使う燃料の製造技術開発に向けて、英国国立原子力研究所と協力に関する覚書を結んだと発表した。英国に日本の技術的知見を提供するほか、日本が2030年代後半にも建設する実証炉に使う燃料を英国からも調達することに道を開く。

原子力機構の小口正範理事長と英国立原子力研のポール・ハワース最高経営責任者(CEO)が22日に都内で協力内容を定めた覚書と契約書に署名した。

原子力機構は、日本が持つ燃料製造のノウハウを英国に提供する。英国の技術者や研究者の派遣を日本で受け入れることも想定する。英国立原子力研は30年代初頭の稼働を目指す実証炉での利用を想定した燃料の技術開発に25年3月まで取り組む。

HTGRは原子炉の熱を取り出すのに一般的な原発で使う水ではなく、ヘリウムガスを用いる。安全性が高いほか、取り出した高温の熱を発電のほかに水素の製造などに使える。日英のほか中国やポーランドなど世界で研究開発が進む。

日本は茨城県大洗町で高温工学試験研究炉(HTTR)を運用しており、実証炉の運転開始は英国よりもやや後の30年代後半となる見通しだ。英国との協力を将来の日本のHTGR建設に役立てる。

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