次世代型ポリ乳酸の大量生産で使われた水素細菌のイメージ(高相昊・神戸大特命助教提供)

 神戸大などの研究チームは10日、丈夫でありつつ加工しやすいしなやかさを持ち、海水中でも速やかに分解できる性質を兼ね備えた植物由来のバイオプラスチックの開発、大量生産に世界で初めて成功したと米科学誌に発表した。

 経済協力開発機構の2022年の推計によると、プラスチックごみは海洋に約3千万トン存在。分解される新素材のバイオプラが量産できれば、海のプラごみ問題の解決に役立つと期待される。

 開発に成功したバイオプラは「ポリ乳酸」の新素材。ポリ乳酸は、サトウキビやトウモロコシなどのでんぷんをもとにできた乳酸から作る。石油由来のプラスチックの代替素材として注目されているが、硬くて成形しづらく、分解が難しいという課題があった。

 分解性を高めたタイプのポリ乳酸(LAHB)は既に開発されていたが、生産効率が悪かった。そこでチームはプラスチックを作る性質を持つ水素細菌を活用。遺伝子を組み換えてLAHBの大量生産を実現した。

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