三菱電機はFA関連の売上高を26年3月期までに9000億円に伸ばす(9日、名古屋製作所)

三菱電機は9日、ファクトリーオートメーション(FA)向け機器を製造する名古屋製作所(名古屋市)を報道公開した。同工場は1924年に電動機の工場として稼働し、2024年9月1日に操業100周年を迎えた。生産現場のデジタル化でFA機器の需要が高まっており、三菱電機も同分野での新工場建設を進めている。

生産設備に指示を出す司令塔役のシーケンサーや、制御用のサーボモーターの製造工程を公開した。名古屋製作所は1924年に214人で操業し、現在は3500人の従業員が働く。高度経済成長期に制御用機器の需要が増えて同製作所がFA関連の主力拠点となった。1924年に稼働した最初の工場棟は補修工事を経て現在も活用されている。

同製作所では製造ラインの自動化を進める一方で、部品の組み立てを人手に頼る部分も残る。製造現場では作業員がモニターに表示される指示に従って組み立て作業を進めていた。田中貴久所長は「工場内に設置したセンサーで膨大な製造データを蓄積し、歩留まり(良品率)改善や設計効率の向上に役立てている」と語った。

生産工程の自動化や生産品目の拡大に対応するため、FA機器は中長期で需要拡大が期待されている。三菱電機は26年3月期に売上高9000億円超と24年3月期比で17%増、営業利益率で15%(24年3月期は11.6%)を目指している。名古屋製作所の拡張余地が限られる中、愛知県内の別工場の増設とインドでの新工場建設で需要増に対応する。

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