関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)と高浜原発1~4号機(同県高浜町)をめぐり、運転差し止めを求めた仮処分申請を却下した福井地裁決定を不服とし、県内の住民らが11日、名古屋高裁金沢支部に即時抗告した。

 美浜3号機と高浜1、2号機は運転開始から40年を超えている。住民側は老朽化で事故の危険性が高まっていると訴えたが、今年3月の地裁決定は、関電が経年劣化を十分考慮した上で機器の耐震安全性を確かめており、原子力規制委員会の判断は合理的などと評価。耐震設計の前提となる揺れの想定も適切だと判断していた。

 住民側は1月の能登半島地震を踏まえ、「避難計画に実効性がない」とも主張。弁護団は即時抗告にあたり、「避難できなくても原発を動かしてよいという福井地裁の決定はあり得ない。老朽原発の深刻な危険も見逃している」などとコメントした。(永井啓子)

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