Meta Quest 3Sは没入感のあるゲームなどを楽しめる

【シリコンバレー=清水孝輔】米メタは25日、仮想現実(VR)端末「Meta Quest (メタクエスト)3S」を10月に発売すると発表した。日本での価格は4万8400円から。同じ容量の最上位機種に比べ約3割安くした。没入感のある体験を手ごろな価格で提供し、VR端末の普及を促す。

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メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が25日に開いた開発者会議の基調講演で明らかにした。3Sは容量が128ギガ(ギガは10億)バイトと256ギガバイトの2種類を用意した。25日から予約を受け付け、10月15日に発売する。米国での価格は299ドル99セント(約4万3000円)から。

新製品の発売にあわせ、既存の最上位機種「クエスト3」は価格を引き下げる。最も価格が高い512ギガバイトのモデルは日本での価格を9万6800円から8万1400円に下げる。クエスト3の128ギガバイトのモデルは在庫がなくなり次第、販売を終了する。

Meta Quest 3Sは25日から予約を受け付け、10月15日に発売する

ゴーグル型のVR端末では米アップルが「Vision Pro(ビジョンプロ)」を手がける。日本での価格は59万9800円からと消費者向けの商品としては高額だ。メタはアップルよりも低価格で手に入る商品群を品ぞろえし、幅広い利用者層の需要を取り込む。

メタは25日、開発者会議で生成AI(人工知能)戦略も説明した。最新の大規模言語モデル(LLM)「Llama(ラマ)3.2」を「オープソース」と呼ぶ手法で無償開放する。画像や文字情報に対応した複合型の基盤技術となる。

メタは開発したAIを自社サービスや製品に搭載している。25日にはSNS「フェイスブック」や画像共有アプリ「インスタグラム」上で利用者が音声でAIとやり取りできる機能を発表した。まずは米国などの利用者向けに提供する。日本での展開は未定だという。

メタは「レイバン」ブランドでAIを搭載した眼鏡型端末を手がけている。25日にはAIが視界の情報を記憶し、後で思い出させてくれるといった新機能を発表した。2024年内には会話をリアルタイムで翻訳する機能も提供する。

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