「竜王戦」七番勝負は東京 渋谷区で開幕し、2日目の6日は後手の佐々木八段が5日の対局終了時に次の1手を書いた「封じ手」から再開しました。

中盤、先手の藤井七冠が「角」を打つなどして積極的な攻めの姿勢を見せるのに対し、佐々木八段は1時間を超える長考をたびたび挟みながら反撃のチャンスをうかがうじっくりとした展開となります。

藤井七冠は終盤にかけて盤面の広い範囲で攻めに出て徐々に形勢を有利にすると、佐々木八段の攻撃を冷静にかわして相手玉を追い詰めます。

そして午後6時32分、佐々木八段が117手までで投了し、藤井七冠が初戦を白星で飾りました。

藤井七冠は今回の七番勝負を制してタイトル防衛を果たせば「竜王戦」4連覇で、ことし7つ目のタイトル防衛となります。

一方、佐々木八段は7年前、デビュー以来負けなしで連勝していた当時中学3年生の藤井七冠に勝利し、連勝記録を「29」で止めた相手で、今回が初めてのタイトル戦登場となります。

「竜王戦」七番勝負はことし12月にかけて日程が組まれ、次の第2局は、今月19日と20日に福井県あわら市で行われます。

藤井七冠「一手一手 非常に難しい将棋だった」

対局のあと、勝利した藤井聡太七冠は「穏やかな形で『相掛かり』のような展開になりましたが、急所が分かりづらく、一手一手、非常に難しい将棋だったかと思います。第2局以降は先後が決まっての戦いになるので、次に向けてしっかり準備をしていきたい」と話していました。

一方、敗れた佐々木勇気八段は「1局通してずっと受け身だったのでどこかで反撃したいなと思っていましたが、反撃のタイミングを誤った気がします。終始、先手にうまく指されて苦しい将棋だったと感じました。悔いの残る手はあまりなく、結果はしかたないと思うので、切り替えていきたいと思います」と話していました。

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