「編入試験」五番勝負の第3局は8日午前10時から大阪の関西将棋会館で始まりました。
第3局の試験官は、去年の「新人王戦」とことしの「加古川青流戦」で優勝した上野裕寿四段(21)で、後手の西山女流三冠は、序盤に「飛車」を横に移動させる「振り飛車」の戦法をとり積極的な攻めの姿勢を見せますが、上野四段は自陣の守りを固めてしのぎます。
その後、西山女流三冠が相手の「飛車」を取ったのに対し上野四段は「角」を取るなど激しい攻め合いになりますが、徐々に上野四段が形勢を有利にし、午後5時27分、西山女流三冠が109手までで投了しました。
この結果、五番勝負の成績は1勝2敗となり、プロ編入へあとがなくなりました。
西山女流三冠は大阪出身で、女流タイトルを通算18期獲得するトップ女流棋士のひとりです。
ことし7月の時点でプロ棋士との対局で好成績をあげて「編入試験」の受験資格を獲得し、今回合格すれば女性初のプロ棋士となります。
次の第4局は来月、宮嶋健太四段(25)を相手に行われる予定です。
西山女流三冠「次回も課題をもって挑めればいいなと思います」
対局のあと、敗れた西山朋佳女流三冠は、「中盤までは悪くないと思っていましたが、『飛車』と『角』を交換したあたりで少し差が開くような展開になってしまったと思います。攻め駒が乏しくなって苦しかったです」と振り返りました。
そのうえで「実戦ではあまり指していない戦型を準備して挑みました。きょうの対局は負けてしまいましたが、新しいことを試して充実感もあったので、次回も課題をもって挑めればいいなと思います」と話していました。
上野四段「予想していなかった戦型で意表をつかれました」
一方、勝利した上野裕寿四段は、「予想していなかった戦型で意表をつかれました。前例の少ない形で、一手一手、手探りの状態で進めていましたが、その中で時間を使わされる展開になってしまったかなと思います。中盤では押さえ込まれる展開で苦しいと感じていたので、そこは西山さんの強さだったと思います」と振り返っていました。
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