協業を発表したスバルの柴田CDCO(中)とオンセミのエルコーリーCEO(左)ら(19日、東京都港区)

SUBARU(スバル)は19日、運転支援システム「アイサイト」の次世代版開発で米半導体大手のオンセミと協業すると発表した。オンセミはスバルが手掛ける画像認識AI(人工知能)向けの専用センサーを提供する。

オンセミは車載向け画像センサーで世界シェア首位。両社は10年以上にわたり、アイサイトの開発で連携してきた。次世代アイサイトは画像認識AIを使った物体の識別機能を盛り込み、スバルが2020年代後半に展開する電気自動車(EV)での搭載を目指す。オンセミのセンサーにより、夜間などの悪条件でも歩行者や車両の検出精度を高めることが期待できる。

同日、都内で記者会見したスバルの柴田英司CDCO(最高デジタルカー責任者)は「今までのセンサーでは難しかったことを、今回の協業によるAIを使って突破したい」と語った。オンセミのハッサーン・エルコーリー最高経営責任者(CEO)も「スバルと最高のコラボレーションを実現することで、製品のポテンシャルをさらに高められる」と期待を示した。

スバルは4月にアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とも協業を発表しており、同社の演算用半導体をアイサイトの頭脳役として搭載する。

車の自動化で1台当たりの半導体搭載数は、今後数年で3倍に増えるとの予測もある。車載半導体を巡ってはホンダも2月、独インフィニオンテクノロジーズと協業の覚書を交わした。ホンダは23年、半導体の安定調達に向けて台湾積体電路製造(TSMC)との協力を進める方針も明らかにしている。

【関連記事】

  • ・スバルの純利益8%増、4〜9月 北米で新型SUVが寄与
  • ・スバルがAMDと半導体開発 次世代アイサイト向け

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。