南極観測船しらせ(基準排水量1万2650トン、斎藤一城艦長)は20日、神奈川県横須賀市の海上自衛隊横須賀基地を出港した。
小雨が降る中、集まった多くの家族や仲間の観測隊員らが、「元気で」と見送った。
飛行科の竹内悠太さん(41)は4回目の航海。「見渡す限り氷だけ、雑音のない世界が南極の魅力」と話した。見送りに来たのは、妻と3人の子どもたち。船が岸壁を離れ始めると、次男の柊陽さん(8)は「がんばって!」と大きな声をあげて手を振った。
この日、乗船したのは約180人。66次観測隊(原田尚美隊長)の本隊は、12月5日に成田空港から空路で豪州に入り、西海岸のフリーマントルでしらせに乗船する。南極・昭和基地には、年明けに到着する予定だ。
しらせは来年2月、66次夏隊と65次越冬隊を乗せて昭和基地を離れ、豪州に寄港。交代で別チームが乗船し、南極に折り返す。帰路に豪州で隊員を入れ替えて南極に戻る「2レグ」態勢をとるのは、初めて。氷床の減少が注目されるトッテン氷河沖周辺を重点的に観測するためで、4月に帰国する。
大陸内陸で氷床掘削をする別動隊は、すでに南極入りしている。(中山由美)
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