核融合発電に関連する企業が出展する初めての展示会が20日から、インテックス大阪(大阪市)で開催されている。核融合発電を目指すスタートアップや関連部品を製造する中小企業などが出展した。これまで核融合の研究は国や大学が主導してきた。2030年代以降とされる発電の実現に向けて民間の技術力を生かした産業創出が求められている。
核融合炉の関連装置を開発するスタートアップの京都フュージョニアリング(東京・千代田)も出展した。もともと大学の研究者で現在は同社の最高経営責任者(CEO)の小西哲之氏は初の展示会について「感慨深いものがある。時代の流れを象徴している」と語る。
核融合発電の実現には多くの部品を調達する必要があり、中小企業を含めた複雑なサプライチェーン(供給網)の構築が欠かせない。出展したEX-Fusion(エクスフュージョン、大阪府吹田市)の松尾一輝CEOは「今後サプライチェーンが必要になることを考えると、展示会を通じて様々な業界との接点が増えるのはプラスだ」と話す。
核融合反応で一般的に使用される燃料は重水素と三重水素(トリチウム)だ。海水から確保できる可能性があり、発電時に二酸化炭素(CO2)も発生しないため核融合発電は「夢のエネルギー」といわれている。米国など海外のスタートアップが多額の資金を調達し先行するなか、日本の大学や中小企業などの技術力を生かした産業創出が求められている。
展示会は22日まで。各企業のブース出展に加え、核融合関連の講演も実施されている。
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