三菱重工がCCUS設備の基本設計を受注したカナダにあるハイデルベルク・マテリアルズのセメント工場

三菱重工業は11日、独セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズからカナダのアルバータ州にある同社セメント工場向けの二酸化炭素(CO2)の回収・利用・貯蓄(CCUS)設備の基本設計を受注したと発表した。自動車22万台分のCO2排出量に匹敵する年間約100万トンの回収を目指す。セメント工場で大規模商用でのCCUSが実用化されれば世界初となる見込み。

三菱重工は北米の大手建設・エンジニアリング企業、キーウィット・エナジーグループと共同で受注した。今回受注したのは設備の基本設計で受注額は非公表。最終的な投資は24年中にハイデルベルク社が決定する。

CCUSは空気中のほか、工場や発電所などから排出されるCO2を回収した上で、化学原料やコンクリートの製造に活用したり、地下に貯蔵したりする。脱炭素化の有力な手段として注目が高まっているものの、多くは実証実験にとどまっている。三菱重工はCO2の回収技術で強みを持っており、CCUSの商用化で先行することで事業の拡大を図る。

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