これは神戸アイセンター病院の栗本康夫院長らのグループが6日から大阪市内で開かれている日本網膜硝子体学会で発表しました。

発表によりますと、iPS細胞から作った網膜の細胞をひも状に加工し、「網膜色素上皮不全症」という網膜の細胞が減って視力などが低下する病気の30代から60代の患者あわせて3人に移植したところ、いずれも重い合併症はなく、移植した細胞は1年後も定着していたということです。

さらに、このうち症状が最も軽い60代の患者は「生活する上での見え方の質」に関する数値が改善し、「夜空の星が見えるようになった」と話すなど、暗い場所で光を感じ取れるようになったということです。

グループは、この治療を神戸アイセンター病院以外の医療機関でも実施できるよう、早ければ来月にも医療費の一部に公的な保険が適用される「先進医療」に申請する方針を明らかにしています。

認められればiPS細胞を使う治療としては初めてのケースとなり、栗本院長は「網膜の状態が比較的保たれた症状の軽い人ほど治療効果が得られやすい可能性がある。先進医療として日本中の眼科医にも参加してもらい治療を進歩させたい」と話していました。

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