東京電力は7日、福島第一原発で5回目となる処理水の海洋放出を完了したと発表した。停電で放出が一時中断するトラブルがあったが、構内のタンクで保管していた約7800トン分の放出を予定通りの日程で終えた。

 5回目の放出は先月19日に始まった。同24日には、構内の掘削作業で誤って外部電源のケーブルを損傷させたため、一部で停電が発生。処理水の放出は約6時間半にわたって中断した。

 東電は、再発防止策として作業員への注意喚起の徹底や、今後同様の作業を行う場合は社員が現場に立ち会うなどするという。

 海洋放出は昨年8月に始まり、今回で5回目。今年度は7回に分けて計5万4600トン分を放出する予定だ。東電や政府などは、原発周辺の海水や魚の放射性物質の濃度を調べているが、これまでに異常は確認されていない。(矢田文)

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