【シリコンバレー=清水孝輔】米インテルは8日、米国が中国の通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)への半導体輸出許可を取り消したことが業績に影響するとの見通しを示した。パソコン向けなどの半導体輸出が減る可能性がある。IT分野の米中対立が米半導体大手の中国事業に影を落としている。
インテルは8日、米証券取引委員会(SEC)に提出した資料で「7日に米商務省から中国の顧客に対する輸出許可を即時取り消すと通告を受けた」と明らかにした。企業名を示さなかったが、ファーウェイへの輸出許可を指すとみられる。
インテルは「その結果、2024年4〜6月期の売上高は当初の125億〜135億ドル(約1兆9400億〜約2兆1000億円)の範囲にとどまるものの、中間値を下回ると予想している」とした。
24年12月期の通期の売上高については「売上高と1株当たり利益(EPS)がともに23年に比べて成長する」と予想した。
英フィナンシャル・タイムズ(FT)は7日、商務省がインテルと米クアルコムに対し、ファーウェイに輸出する際の許可を取り消したと報じた。商務省は具体的な企業名を明らかにしていない。
商務省は19年、ファーウェイと関連会社への輸出を原則認めない規制を導入した。だが一部のノートパソコン向けなどの半導体については米企業が許可を得たうえでファーウェイに輸出することを認めており、米議員の間で不満が高まっていた。
米政府の輸出規制の影響は他の半導体企業にも広がっている。高性能なAI半導体の輸出規制を受け、米エヌビディアはデータセンター部門の売上高に占める中国の比率が段階的に下がっている。23年11月〜24年1月期の中国の比率は1桁台半ばとなった。
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