欧州連合(EU)の行政機関である欧州委員会は13日、IT大手による市場独占の防止を目的とした「デジタル市場法(DMA)」に基づき、旅行予約サイト「ブッキングドットコム」の運営会社ブッキングを規制対象に指定した。同社は6カ月以内に対応を決めて、詳細な報告書を提出する義務などを負う。
DMAの規制対象になるのは「ゲートキーパー」と呼ばれる巨大IT企業で、EU内の月間利用者数が4500万人以上、年間売上高が75億ユーロ(約1兆2600億円)以上などが条件になる。
DMAは、巨大IT企業が運営するサイトなどで自社サービスを優遇したり、配信アプリの課金方法を限定したりすることなどを禁止。違反すれば巨額の制裁金が科されるほか、事業の一部売却などが命じられる可能性がある。
動画投稿サイト「ユーチューブ」や、写真投稿アプリのインスタグラムなどを運営する6社の計23サービスが規制の対象として、すでに指定されている。
巨大IT企業は、SNSなどのサービスを個人に提供する一方、他社が運営するサービスや広告の基盤となっている。DMAは、こうした企業による顧客の囲い込みを防ぎ、後発企業の育成を促す狙いがある。(ブリュッセル=牛尾梓)
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