国立がん研究センター研究所の柴田龍弘分野長らのグループは、腎臓がんの一種「腎細胞がん」のうち、6割から7割を占める「淡明細胞型腎細胞がん」について、日本のほかチェコやロシア、イギリスなど11か国、およそ1000人の患者のがん細胞の遺伝情報を解析しました。

その結果、がんの要因となる「SBS12」という遺伝子変異が、日本の患者36人のうち72%で見つかった一方、他の国ではいずれも2%程度にとどまっていることがわかりました。

追加で解析した日本の患者61人でも、75%から同じ遺伝子変異が見つかったということです。

この変異が起きる原因はわかっていないということですが、変異した遺伝子の配列の特徴から、発がん物質など環境的な要因によって引き起こされている可能性が高いということです。

研究グループは、日本では、何らかの理由でこの変異を起こす発がん物質などに接する頻度が高い可能性があるとしています。

柴田分野長は「今後、この変異が起きる原因を特定し、新たな治療法や予防法の開発につなげたい」と話しています。

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