原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定をめぐり、佐賀県玄海町は16日、「文献調査」の国から申し入れを受諾する文書を斎藤健経済産業相にあてて郵送した。

 文献調査は3段階ある選定プロセスの第1段階にあたる。受諾文書では、①経産相に県知事や町長の意見に反して、第2段階の「概要調査」地区などの選定をしないこと、②地域住民に正しい情報を提供し事業推進の賛否にかたよらない対話活動の徹底、③風評被害が発生しないよう国が責任を持って正しい情報発信することを求めた。

 今後は、原子力発電環境整備機構(NUMO)が文献調査の実施に向け、今年度の事業計画の変更を経産相に申請する。これが認可されれば、文献調査が始まる。

 2020年に玄海町と同様に国の調査申し入れを受託した北海道神恵内村は、村が受諾文書を送った後、約1カ月で文献調査が始まった。

 玄海町の脇山伸太郎町長は10日に国の申し入れを受諾することを表明。文献調査が行われるのは全国3例目で、同町には九州電力玄海原発があり、原発立地自治体では初となる。(森田博志)

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