九州大学発スタートアップのJCCL（福岡市）は二酸化炭素（CO2）を分離・回収する装置の販売を始めると発表した。吸収剤や透過膜などを使ってCO2を回収する。従来の4分の1程度のコストで、CO2を97%以上に濃縮できる。1台あたり約5000万円で販売する。回収したCO2は都市ガスや燃料として使用できるという。
販売するのは吸収剤を使ったCO2回収装置と、CO2を分離する膜を使った性能評価装置の2つ。どちらも従来のCO2回収技術とは異なり、50度ほどの低温の蒸気での加熱で済むため、より少ないエネルギー量での回収が可能になった。回収が難しい低濃度のCO2でも1度膜を通すだけで95%以上濃縮ができるため、コストも低く抑えられるという。
工場やごみ処理場、研究などでの利用を見込む。現在の装置では1日2キログラムほどのCO2を回収できるが、2025年度には30キロと今後さらに回収量を増やしていくという。
JCCLの梅原俊志社長は「50年までのカーボンニュートラルにおいて、排出量の削減とともに、CO2の回収と再利用は期待されている分野だ」と話し、装置販売への期待感を示した。
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