市販バイク唯一の水平対向8気筒を搭載したクルーザーが、中国の新ブランド「SOUO」から発表。しかも排気量は2000ccと強烈で、1833cc水平対向6気筒のホンダ ゴールドウイングをも上回る。2025年に誕生50周年を迎えるゴールドウイングにガチンコ勝負を挑む? 現地スタッフ撮影の写真を交えつつ解説しよう。
文/沼尾宏明 Webikeプラス 写真/Webike China SOUO
世界唯一のフラット8をアルミフレームに搭載、DCTも装備!
中国の自動車メーカーとして知られる長城汽車(Great Wall Motor)は、国有メーカーを除けば中国で最大規模、世界的にも19番目に大きいメーカー。2024年5月17~20日に開催された2024北京国際モーターサイクル展示会で、新ブランド「SOUO」を発表し、二輪市場への参入を表明した。
ブランド名のSOUO は「Search Own,Unlimited Outlook」を意味し、英語のSOUL(魂)も意識している模様。その第1号車が、市販二輪車で世界唯一の水平対向8気筒2000ccを搭載した豪華クルーザーの「MC01」だ。
エンジンは四輪譲りの自社開発で、8速+1速後進のDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を採用。3層段式フロントフォークや後方検知システムなどの目玉装備も数多い。
モチーフは獅子、世界初の3層段式Wウィッシュボーンも採用
さらに詳細を見ていこう。DOHC水平対向8気筒2000ccエンジン「H8」は、リリースによると「発進するたびにライオンの咆哮のような衝撃的な轟音が響き渡り、迫力満点」とある。デザインは中国の獅子舞がモチーフで、エンジンに関しても獅子(ライオン)を意識しているようだ。
メーターを見るとレッドゾーンが6000rpm以降で、速度計には240km/hまで表示されている。エンジンは分厚い低中速トルクと快適な高速クルージングを両立していると見られる。
車体はアルミフレームのほか、単一のショックアブソーバーを備えたダブルウィッシュボーン式のガーダーフォークを採用。いわゆるホサックスタイルと呼ばれるフロントサス機構で、軽快なハンドリングと乗り心地を両立できる。
この機構は水平対向6 気筒のライバルであるゴールドウイングとK1600 シリーズ(BMW)と同様。詳細は不明だが、SOUOでは「世界初の3層段式」とし、多段階調整可能な電子制御サスを組み合わせるという。
バイク最大の液晶メーターや検知システムなど電脳も豪華
電子制御や快適装備も非常に充実している。メーターは二輪最大の12.3 インチで、タッチパネルを採用。大型メーターと言えば、K1600シリーズやR1250RTが採用する10.25インチ液晶が有名だが、SOUOはさらに大きい。
ブルートゥース接続のほか、グリップヒーターとシートヒーター、電子パーキングブレーキ、自動ヘッドライトも標準装備。前述のとおり電動スクリーンやクルコン、電サスも備える。
周囲の交通状況をリアルタイムに監視する後方警告システムや死角監視機能も搭載し、ライダーに注意を喚起してくれる。また、車載用チップによりシステムの遠隔アップグレードも可能だ。
登場は2025年? ライバルのホンダとゴールドウイングに真っ向勝負をかける?
MC01のパッケージを見ると、ゴールドウイングを意識しているのは明らかだろう。
ホンダが誇る旗艦クルーザー、ゴールドウイングは、1975年の初代GL1000から数えて現行型で6世代目となり、2025年に50周年を迎える。これを記念した特別仕様の登場に期待がかかるが、SOUOのデビュー時期と重なるかもしれない。
また、ホンダの中国法人は、現地で大型二輪の販売事業を強化するため、二輪車部門を本田技研工業(中国)投資有限公司から独立させ、ホンダモーターサイクル上海を2023年末に設立したばかり。SOUOの発足もこれに対抗する動きと思える。
SOUO MC01の登場時期や価格は未発表だが、生産開始の数か月前に詳細を明らかにするとアナウンスしている。フラット8豪華クルーザーの出来映えはどんなものか、そしてゴールドウイングとのガチンコ対決の行方はどうなるか、期待して待ちたい。
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/376739/
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