ドライブ中に音楽が聴かれることは多いが、カーオーディオシステムに凝るドライバーはそれほど多くない。当連載ではその一因が“わかりづらさ”にあると仮定し、「カーオーディオ好き」を増やすべく、「?」の払拭を目指して展開している。

◆2000年代以降、「純正品」と「市販品」の違いがますます顕著に…

現在は「メインユニット」に関連した“分かりづらい”事柄について説明している。前回は「メインユニット」とはそもそも何なのかを説明した。それに引き続いて当回では、これには「純正品」と「市販品」とがあることについて解説していく。さて、この2つはどう違うのだろうか……。

ところでほとんどのドライバーが、運転中にはラジオを聴いたりテレビの音声を流したり、さらにはお気に入りの音楽を聴いたりしているはずだが、そうするにはなんらかの「メインユニット」が必要となる。で、その「メインユニット」にはタイプ違いが大きく2つある。1つが自動車メーカーが標準、またはオプションにて用意する「純正品」で、もう1つがドライバーが別途購入して取り付ける「市販品」だ。

ちなみにいうと、かつては「純正品」と「市販品」には今ほどの大きな違いはなかった。つまり車体を購入するときに「純正品」を選んでも、後から「市販品」へと容易に交換できていた。

しかし2000年代の中頃あたりから、「市販品」には交換しづらい「純正品」が増え始めた。

サイズ的に「市販品」との互換性がない「純正品」が増え、そういったものは周辺パネルと一体化されることも多く、そうであるとそもそも取り外しにくい。そしてなんとか取り外せたとしてもそのスペースに「市販品」がぴったりとは収まらない。また、オーディオ以外の機能も搭載される「純正品」も出てきた。そうであると、それを取り外してしまうと例えばエアコンの操作ができなくなる……。

「純正メインユニット」の一例(トヨタ・ヤリス)。

◆「純正品」と「市販品」にはそれぞれ利点がある。選ぶべきはどっち?

なお昨今は、そもそも「純正品」しか選択できないクルマも増えている。つまり、ますます「市販品」を使いづらい状況が深まっている。

しかしカーエレクトロニクスメーカーは今でも、より便利な「メインユニット」を使いたいと考えるドライバーに向けて魅力的な「市販品」をさまざまリリースし続けている。なので「市販品」へと交換できる車種であれば、それへと交換するのは大アリだ。

とはいえ「純正品」にも利点がある。では「純正品」と「市販品」とには、それそれどんな利点があるのかを説明していこう。

まず「純正品」には、利点は大きく2つある。1つは「手っ取り早いこと」で、もう1つは「フィッティングが美しい場合が多いこと」だ。「純正品」はクルマを購入するときに選んでしまえば、納車された以後にカー用品量販店や専門店に行かなくて済む。対して「市販品」を使おうとすると、納車後に「市販メインユニット」を装着しにお店に出向く必要がある。

また「純正品」は“後付け感”が出にくい場合が多い。センタークラスターパネルに美しくフィットするモデルが多くある。対して「市販品」を選ぶと、“後付け感”が漂ってしまうこともある。それを嫌うのであれば、「純正品」がアドバンテージを発揮する。

「市販メインユニット」の一例(カロッツェリア・サイバーナビ)。

◆「市販品」に目を向ければ、コスパの高い高性能モデルが選び放題!

次いでは「市販品」の利点を見ていこう。利点は主には3つある。「選択肢が多いこと」、「割安である場合が多いこと」、「高性能なモデルを選べること」、これらだ。

車種によっても状況は異なるが、「純正品」はある程度選択肢が限られることが多い。しかし「市販品」はさまざまなモデルが存在している。そして価格もお手頃である場合が多い。「市販品」は厳しい価格競争にさらされているので、コスパの高いモデルが見つかりやすい。

そして「市販品」には高性能なモデルがさまざまある。各社が渾身の新作を多彩に市場に投入していて、スペシャルな機能を搭載したモデルもいろいろとある。

なお、「カーオーディオ・プロショップ」に行って相談すれば、「市販品」へと交換しづらい車種でも、交換が可能となるケースは多い。なので「市販品」を付けたいと思う場合には、クルマを購入する前に「カーオーディオ・プロショップ」に足を運ぶとスムーズにことが運びやすくなる。

お店に行き、買いたいクルマに欲しい「市販メインユニット」が装着可能か、そしてそれをする場合のコストを聞こう。そしてそれが可能と分かりコスト的にも折り合えばそれを実行しよう。このようにするとムダなオプション品を買ってしまう等の失敗をしないで済む。参考にしてほし。

今回は以上だ。次回以降も「メインユニット」に関連した疑問に思われがちな事柄について解説していく。お楽しみに。

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