電動化、自動運転、ソフトウェアや次世代エネルギーといった様々なトピックを携え、目まぐるしく変化する自動車業界。アフターマーケットも注目すべき新技術やソリューションで溢れている。

そのような自動車部品、用品、アクセサリー、サービスの最新動向を知ることができる国際見本市「アウトメカニカ フランクフルト 2024」が、9月10日から14日までの5日間、「変革/トランスフォーメーション」と「持続可能性/サステイナビリティ」をメインテーマとし、ドイツ・フランクフルト国際見本市会場にて開催される。アウトメカニカは、1971年にフランクフルトで初開催され、現在では世界の主要13都市で展開。なかでもアウトメカニカ フランクフルトは毎回、最大の規模で実施されている。

本見本市の特徴は、クラシックカーから未来モビリティ・ソリューションまで、バリューチェーン全体をカバーしていることだ。今年は新たに、「サーキュラーエコノミー」「未来型モビリティ」「eモビリティ」の最新トレンドの発信、「未来ワークショップ」専用ステージ、ディテイリング関連のDIYエリアなど、さまざまなテーマが追加された。出展者についても、コロナ禍の際には出展を控えていた、アクサルタ、PPG、3Mなどの塗料メーカーをはじめ、エクセディ、マレリ アフターマケット、ミルカ、ニテラなどが参加予定。今年2月の時点ですでに80カ国以上、約4000社が出展申込みを済ませている。主催者のメッセフランクフルトによれば、今回は出展希望が殺到しているため展示ホールの追加が行われたとのことで、自動車関係者の注目度の高さがうかがえる。出展者検索ページが用意されているので、事前情報の確認は容易だ。来場者向けの入場券購入サイトもすでにオープンしている。

5つの主要テーマ、トップクラスの専門家によるフォーラムも

今回のイベントでは、「イノベーション」「持続可能性」「電化、デジタル化、AI」「トレーニング&ワークショップ」「リクルーティング」が主要テーマとなり、自動車製造の最新の技術トレンドや、情報、部品・用品、関連機器、タイヤ、アクセサリーなどがフランクフルトに集結する。

イベント会場は、同様の業種やテーマによってホールが分かれており、たとえば「持続可能性」については、ホール5.0にサステイナビリティ・コートが設けられ、自動車メーカー、サプライヤー、自動車アフターマーケット関係者が持続可能なソリューションを紹介。Future Mobility Parkでは、来場者が代替駆動システムや革新的な未来のソリューションを搭載した車両を実際に体験・試乗することができる。

Future Mobility Park

またトップクラスの専門家によるフォーラム「Innovation 4 Mobility」はホール3.0で開催され、講演とディスカッションパネルでは、モビリティ業界の根本的な変化に関連するあらゆるトピックが取り上げられる予定だ。ホール3.1では、「自動車アクセサリー」「エクステリア・インテリア」「輸送システム」「インフォテインメント」「ライフスタイル」など、幅広い製品を展示。そして今回初めて、ペット用のオーガナイザーシステムとアクセサリーの展示スペースも設けられることになった。

Innovation 4 Mobility

ホール8と9では、従来のワークショップ・ビジネスに加え、より一層デジタルソリューションに焦点が当てられる。テーマは、「キャリブレーション」「空調サービス」「バッテリー管理」「安全性」「人間工学」「ワークショップにおけるeモビリティ」「ワークショップ管理」「廃棄物処理」「リサイクル」など多岐にわたる。

アジア地域からも多くの出展者、EVとクラッシックカーは特に注目

アジアからの出展者も今年は増加する予定だ。従来のホール10だけでなく、ホール12.1も解放されることになった。またパーツ&コンポーネントの製品エリアは、ホール1、3.0、4.0、6、フォーラムだけでなく、新しいホール5にも開設され、重要な役割を果たす。ほかにも、電気自動車とクラシックカーをテーマに拡大されたスペシャル・インタレスト・プログラム(商用車、キャラバン、オートバイ、タイヤ、再製造に関する製品とソリューションが対象)によって、より多くのオリエンテーションが行われる。今注目の分野ということで、eモビリティやクラシックカー分野の製品やソリューションを提供する出展者は、アウトメカニカウェブサイトのオンライン出展者検索、見本市のナビゲーターアプリなどで、独自のアイコンによって区別される。そのため、関心のある業界関係者にとって見つけやすいつくりとなっている。

Electronics & connectivity

ホール11にはボディ&ペイント関連の出展者がすべて集まっており、ホール12では洗車、ケア、ディテイリング向けメーカーの出展だけでなく、オイル、潤滑油、燃料などのメーカーが初めて独立した製品エリアとして展示スペースが設けられる。また、新しい試みとして、事故被害管理および事故修理をテーマとする人気のワークショップが、ホール11の中心である中央ステージで行われる。レクチャー、パネルディスカッション、ライブペインティング、ネットワーキングラウンジなど、ボディ&ペイント・ショップのニーズをより強く意識したステージ内容となる予定だ。また、クラシックカーをテーマとしたイベントも、ホール11で紹介される。

Body & Paint

世界的な需要、市場拡大するクラシックカー

クラシックカーの需要は世界的に高く、その勢いは衰える気配がない。実際、世界のクラシックカー市場の売上高は過去4年間で年平均8.8%増加し、2023年には総額399億米ドルに達している(出典:Statista)。

世界有数の国際見本市ブランドとして、アウトメカニカは世界各地で開催されるイベントを活用し、クラシックカー分野における新たなB2Bネットワークを確立するという。その取り組みの幕開けとなるのがフランクフルト。すでに300以上の出展者が、部品・コンポーネント、診断・修理、ボディ・塗装の製品分野で、クラシックカービジネス向けの製品を紹介すると発表している。また、国際的に著名な業界関係者によるパネル・ディスカッションやプレゼンテーションも行われ、「若者がクラシックカービジネスに興味を持ち、トレーニングや資格を取得できるようにするにはどうしたらよいか?」「個人顧客セグメントにおいて、デジタルソリューションはどこで展開できるのか?」「将来的にビジネスを成功させるためには何が必要か?」といった、様々な問題が議論される予定だ。

Classic Cars

クラシックカーのメンテナンスや修復には、適切な設備とスタッフを備えたワークショップが不可欠。同見本市のディレクターを務めるオラフ・ムースホフ氏は「アウトメカニカ フランクフルトでは、人気ワークショップがクラシックカー分野の専門家と直接ネットワークを作ることで、部品調達に関することやこの分野のトレンドや変化といった重要なトピック、適切な塗装ソリューションの発見といった様々な関連テーマについて意見を交換することができます。これを可能にするため、私たちはパートナーや経験豊富な専門家と協力し、盛りだくさんのプログラムを用意しています」と語っている。

クラシックカー好き垂涎のレースイベントも開催

アウトメカニカの会場の外では、マーケティング会社B&Mが主催する「Rhein-Main-Klassik」Rallyeが、9月13日から15日にかけて開催される。自動車が誕生してから100年以上、そのような長い自動車の歴史を紡いできた100台のクラシックカーが、森や低山脈エリア、都市や田園地帯を駆け抜ける。金曜日のプロローグではフランクフルトを巡り、土曜日にはフランクフルトからマインツへ。日曜日の最終ステージでは再びフランクフルトに戻り、ラリーの終了も含めて表彰式が盛大に行われる。都市と国、歴史と未来を結ぶ一大イベントとなっており、アウトメカニカの参加者はもちろん、クラッシックカー好きにとっても見逃せないイベントだ。

メッセフランクフルトについて
メッセフランクフルトは、800年以上にわたり見本市会場として親しまれるドイツ・フランクフルト市に本社を構える世界最大級の国際見本市主催会社です。約40万平方メートルの見本市会場を所有し、同社株の60%をフランクフルト市、40%をヘッセン州が保有しています。グループ全体では世界中に28*の拠点と約2300*人の従業員を有しており、世界各地域の約180カ国をカバーするグローバルネットワークは、メッセフランクフルトの強みの1つです。2023年のグループの売上高は6億ユーロを超え、顧客のビジネス拡大に貢献しました。また、「サステナブル経営」を企業戦略の中核に置き、環境保全、経済活動、多様性と社会的責任などの観点において持続可能な状態を実現する経営を実践しています。見本市主催事業以外にも会場の貸出、施工、マーケティング、スタッフサービスやケータリングなど、オフラインとオンラインを合わせた包括的かつ幅広いサービスを提供し、顧客のニーズに合わせてビジネスをサポートしています。詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。*2023年暫定数値

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