「37年半ぶり」とか「38年ぶり」というタイトルをみても、ピーンと来る人も少ないだろうが、当時、地価が高騰して東京・銀座の土地が1坪1億円を突破。ソニー創業者の一人である盛田昭夫氏の著書「MADE IN JAPAN」がベストセラーになったり、アサヒビールが起死回生を狙って発売した「スーパードライ」が大ヒットするなど、バブル経済が到来した時代でもあった。
そんな時代背景とはすっかり様変わりしている昨今だが、6月26日の外国為替市場で、円相場は円売り・ドル買いが優勢となり、一時、1ドル=160円70銭台をつけた。1986年12月以来、約38年ぶりの円安・ドル高水準であり、1ドル=160円台の円相場は、政府・日本銀行が円買い・ドル売りの介入に踏み切ったとみられる今年4月29日以来、約2か月ぶりという。
きょうの各紙も、1面などで「円下落一時160円台後半、38年ぶり安値」などと報じている。それによると、米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事が講演で「政策金利の引き下げが適切だという段階にない」と述べ、早期の利下げに否定的な見解を示したことからも「利下げ開始時期が先送りされる」との見方が強まり、日米金利差を意識した円売り・ドル買いが加速しているという。
円相場は4月29日に34年ぶり円安水準となる1ドル=160円24銭を付けたあと、政府・日銀による過去最大規模となる9.7兆円の円買い為替介入を受けて151円台まで上昇。ただ、その後は日米金利差に着目した円売り・ドル買いや輸入企業によるドル調達の動きが円相場を押し下げ、円安基調に戻っている。
また、円相場は、対ユーロでも一時、1ユーロ=171円70銭台をつけ、1999年にユーロが導入されて以来の最安水準を更新したとも伝えている。
そんな中、26日の東京株式市場では、円安は追い風とみられる自動車関連の銘柄は、いすゞ自動車を除くと、トヨタ自動車、ホンダなどほぼ全面安の展開で終えた。為替に振り回されっぱなしであった投資家も、円安基調がマンネリ化すれば、その程度の為替変動では「一喜一憂はしない」ということなのだろうか。
2024年6月27日付
●円安一時160円70銭台、38年ぶり水準に (読売・1面)
●周波数帯再編「検討を」有識者会議自動運転向け確保へ(読売・9面)
●けいざい+、「アジアのデトロイト」は今、日本車販売からくら替え裏に財閥?(朝日・6面)
●シャープ社長,沖津氏昇格、鴻海買収初生え抜きCEO (産経・10面)
●車の各スイッチ、ARで操作解説、トヨタ系キント (東京・6面)
●米EV減速再編の引き金、VW、リヴィアンに8000億円投資、苦闘打開へ共闘(日経・3面)
●株主総会、ENEOS改革道半ば,管理職は多様性なお低く (日経・17面)
●トヨタ、不正車種以外を増産、工場稼働低下補う、ヤリスなど(日経・19面)
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