BMWは、7月11日に英国で開幕する「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」において、高性能セダンの『M5』新型をワールドプレミアする。BMWが6月21日に発表した。

●歴代M5で初めてパワートレインを電動化

7代目となる新型は歴代M5で初めて、パワートレインを電動化したのが特長だ。新型M5には、M HYBRIDドライブシステムを搭載し、4.4リットルV8エンジンに電動モーターを組み合わせる。このシステムは8速Mステップトロニックトランスミッションに統合された。V8エンジンは最新のMツインパワーターボ技術を採用し、最大出力585hp、最大トルク750Nmを発揮する。電動モーターは最大出力197hp、最大トルク280Nmを持ち、トランスミッション入力での有効トルクを450Nmに増加させる。

●0-100km/h加速は3.5秒

このハイブリッドシステムは、電動モーターの瞬時のパワー発揮力と内燃エンジンとの連携により、アクセル操作に対する即時のレスポンスを追求している。PHEVシステム全体で最高出力727hp、最大トルク1000Nmを獲得。Mツインパワー・ターボ・テクノロジーを採用した高回転型V8エンジンと電気モーターの組み合わせに加え、8速Mステップトロニック・トランスミッションとM xDrive全輪駆動により、0-100km/h加速は3.5秒とした。新型M5は、標準で最高速250km/hに制限されているが、オプションのMドライバーパッケージを選択すると305km/hまで引き上げられる。

●後輪駆動のみも選択可能

新型M5のパワーは、M xDrive全輪駆動システムを通じて路面に伝達される。4WDスポーツモードではリアバイアスが強調され、2WDモードでは後輪駆動のみが選択可能。さらに、M xDriveと電子制御アクティブMディファレンシャルは、M HYBRIDドライブシステムの性能特性に合わせて調整されている。

シャシー技術もM専用のチューニングが施されており、ダブルウィッシュボーンフロントアクスルと5リンクリアアクスルを採用。電動アシストのラック&ピニオンステアリングは、Mサーボトロニックと可変ステアリング比を持ち、フロントのサブフレームに接続されている。これにより、路面からのフィードバックと高い方向安定性が確保されている。

標準装備のアダプティブMサスペンションは、電子制御ダンパーとインテグラルアクティブステアリングを備え、リアホイールを最大1.5度まで操舵する。これにより、高速での方向安定性や機動性、快適性を追求している。新型M5のスポーツエキゾーストシステムは、電動モーターのパワーデリバリーに合わせたBMWアイコニックサウンズエレクトリックを採用し、全電動モードでの運転時にリアルな音響体験を実現する。高電圧バッテリーは車両の低い位置に配置され、18.6kWhの使用可能エネルギーを持ち、EVモードではWLTPサイクルで最大69kmの航続を実現している。

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