中古車を購入する際、できるだけ修復箇所の少ないクルマを選びたいのが人情。お店の表示云々はさておき、自身で見分けるポイントを知っておいて損はないだろう。今回は専門知識のない一般ユーザーでも判別可能なチェックポイントを紹介する。

文:デグナー12(Team Gori)/写真:写真AC

■ボンネットをあけて部品の取付け箇所をチェックしてみると……

汚れがたまりやすいはずのエンジンルームで、不自然にキレイな場所は交換、修復している可能性が高い

 まず確認しておきたい場所がエンジンルーム。フェンダーやボンネットなどの外装部品のボルトは外装同様に塗装されており、その塗装の一部が剥がれている場合は脱着作業で工具を使用した痕跡と考えられる。一般的に整備で脱着する部品ではないため、事故などによって交換された可能性が高い。

 その場合にあわせて確認したいのがタイヤの摩耗状態。フェンダーを損傷した場合はサスペンションにまでダメージが及び、アライメントが狂っている可能性がある。修理が不完全で、タイヤが極端に偏摩耗している場合は最低でもアライメント調整が必要。ハンドルを切ってタイヤの内側の摩耗状態までしっかり確認しておこう。

 また、ヘッドライトの取り付け部分も必ずチェックしたいポイント。ヘッドライトの多くは樹脂製で、軽い接触でも破損しやすいため、接着剤を使った跡や、左右のライトを見比べて片側だけ不自然にキレイな場合は交換している可能性が高い。

■塗装面をいろんな角度から見比べてみると……

ドア交換の場合でも、塗装はフェンダーなどボカシで周辺部分も塗装するため、修復は広範囲に及ぶ

 次にチェックすべきポイントは塗装の色味。大きな事故はもちろん、ガリ傷や小さな凹みの修理でも最後は塗装が必要になるため、査定を行うプロは塗装の色味やクリア層の違いで修復箇所を見分けている。

 修理箇所の周辺部分は“ぼかし”と呼ばれる塗装が施されており、経験がないと判別は難しいが、クルマの左右や上下、様々な角度から見比べることがポイント。マツダのソウルレッドのように、塗装が難しいカラーは見る角度によって色味が合わない場合もあるので試してみてほしい。

■外装部品の隙間を見比べてみると……

追突などによって外装の隙間が狭くなってしまった状態

 塗装とあわせてチェックしておきたい場所がバンパーやフェンダーなど、部品同士の隙間。クルマの左右を見比べて、隙間にバラつきや段差がある場合は修復を行った可能性が高い。事故で取り付け位置がずれることがあり、部品を交換しただけの格安修理では隙間が不揃いのままということも。

 この他にも修復箇所を見分けるポイントは大なり小なりあるが、いずれも修復の可能性にすぎないため、気になった箇所を販売店に確認することが重要。損傷や修理の程度をごまかさずにハッキリ回答できる販売店であれば、安心した中古車選びができるだろう。

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