クルマを購入する際の選択肢として中古車があるが「なるべく程度が良くて値段も手頃な中古車を手に入れたい」と考えるのは普通だ。そんな人に向けて、中古車選びの際に抑えておきたいポイントを紹介する!

文/長谷川 敦、写真/写真AC、Adobe Stock、アイキャッチ画像/tonstock@Adobe Stock

■まずは目的をハッキリさせよう

中古車市場には数え切れないほどのクルマがある。きちんと探せば、自分の希望にピッタリのクルマが見つかるはず(Alexey Kopytko@Adobe Stock)

 新車納期の長期化が続く現在、今すぐクルマが欲しい人が中古車を選ぶというケースも増えている。

 市場にある中古車の状態はさまざまだが、しっかり選べば安価で程度の良い個体をゲットすることも可能だ。

 だが、中古車のどこを見れば状態を判断できるのか? 素人にはその基準が難しい。

 そこで今回の記事では、中古車をチェックする際のポイントについて解説していくが、最初に考えておきたいのが購入する目的だ。

 クルマを買う際の目的は人によって異なり、ある人は特定の車種が欲しいと思い、別の人は用途から車種を選ぶ場合もある。

 そのため、実際に中古車選びを始める前に自分の目的をハッキリさせておく必要がある。

 そうしておかないと、世の中にあふれる多くの情報に踊らされ、結果的に判断を誤る危険性もある。

 もうひとつ重要なのが予算で、正直、予算に余裕があれば程度の良い車体を購入できる可能性はグッと高まる。

 とはいえ、やはりいいモノを安く買いたいと思うのは人の常。

 次項から具体的なチェックポイントを見ていくことにしよう。

■エンジン関連でチェックしたいポイント3つ

●エンジンルームはキレイか?

 ボンネットを開けてみて、エンジンルーム全体が汚れていたら要注意!

 ホコリや油などで汚れているエンジンルームは適切な整備を受けていない証拠でもある。

●エンジンオイルは汚れていないか?

 以前のオーナーがエンジンオイルの交換を怠っていた場合、オイルは燃えカスや金属粉などで汚れている。

 これを確認するため、中古車ショップのスタッフに許可をとり、レベルゲージやオイルフィラーキャップを見てみよう。

 レベルゲージやオイルフィラーキャップの裏側に付着したオイルが黒ずんでいた場合、そのクルマは候補から外したほうがいいだろう。

●エンジンの音は正常か?

 エンジンの回転音も重要なチェックポイントだ。

 まずはエンジンがもたつかずにすぐに始動するかを確認し、アイドリングでの回転音にも耳を傾けてみよう。

 ガラガラとした音がする場合、そのクルマのエンジンは正常な状態ではない可能性が高い。

 また、エンジンを始動した際に排気もチェックするのがお薦め。

 排気管から水蒸気程度の煙が出ているのは問題ないが、真っ白い煙がモクモクと出るようなら、エンジンがくたびれていることも考えられる。

■外装と内装はどこをチェックすればいいのか?

●ボディ表面の傷

 普通に走っていれば、ボディ表面に細かい傷がつくのはある程度仕方ない。

 それでも実際にクルマを見る時には大きな傷がないかを確認したい。

●ボンネットはきちんと閉まるか?

 まずはボンネットを開けて裏側を確認し、ヒンジ(蝶番)部分のボルトに外した跡や傷などがあったら注意が必要。

 通常の使用ではボンネットを外すことはないため、もし一度外して戻した、あるいは交換の形跡があれば、それは事故車だった可能性もある。

 ただし、カーボンボンネットなど、見た目からしてノーマルとは違うボンネットになっていた場合はチューンナップのため交換したということも考えられる。

 そしてボンネットを閉めた時に、スムーズに閉まらないようであれば、事故を起こしているかもしれない。

●ピラーにゆがみはないか?

 4ドア車の場合、前後ドア間のピラー(柱)がゆがんでいないかも確認する。

 ドアピラーにゆがみがあるのは過去に事故を起こした車体の可能性が高い。

●ボディの凹みやサビも要チェック

 ボディに細かい凹みがあった場合、それもマイナスポイントにはなるが、そのクルマの販売価格を考慮したうえで、許容範囲と思えるかどうかを考える。

 そしてボディにどのくらいサビがあるのかもチェックポイントになる。

 ボディのサビが多い時は下回りやマフラーも同時に目視し、どのくらいサビているか確認しておいたほうがいい。

 下回りがサビているクルマはそこから部品の劣化が進み、やがて修理が必要になることも考えられる。

 このようなクルマは価格が安くても避けるのが無難だ。

●シートはしっかりしているか?

 たとえゆっくりめの街乗りであっても、シートの座り心地が悪いと運転しにくいし、なにより疲れてしまう。

 そのため、中古車を見る際にはシートの弾力性が失われていないか確認する。

 一番ダメになりやすいのは運転席のシートなので、助手席のシートと座り比べてみたり、手で押して感触を確かめてみたりするとよい。

●天井は汚れていないか?

 前オーナーが車内喫煙する人だった場合、天井が汚れていることもある。

 まずはサンバイザーを開き、その周囲との色を比較してみよう。天井が汚れているクルマは、サンバイザーで覆っていた部分との色が変わっているのがわかるはずだ。

 もちろん、汚れていても気にしないというのであれば、価格を考えてから購入するのは何も問題ない。

■最後はココにも気をつける

中古車販売店のスタッフも重要なポイント。高額なものを購入する相手として信用に足る人物でないと、将来的な対応も含めて不安になる。この見きわめは肝心だ

●販売店のスタッフは信用できるか?

 中古車とはいえ、買い物の額で考えれば決して安いものではない。

 それなりに高額な取引をする場合、相手のショップスタッフがちゃんと信用できるかが重要だ。

 こちらから聞いた質問にきちんと答えてくれて、諸経費などの説明もしっかりしてくれるスタッフかどうか、慎重に見きわめたい。

●自分の気持ちに忠実に

 最も大切なのは、自分がクルマの状態や価格、そしてショップスタッフに満足しているかだ。

 クルマは長く乗るもので、自分の命を預けるものでもある。

 大手中古車販売チェーンの不祥事もニュースになった昨今、中古車とその販売店選びにはじっくりと時間をかけ、納得のいく買い物をしてほしい。

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