国産車の輸出モデルや現地生産モデルには、国内向けとはひと味もふた味も違うムードやスペックがある。それは乗用車だけでなく、トラックでも同じだ。日本のトラックでは大型サイズでも海外では中型トラック扱いなんてことも……今回は海外で頑張る日本の中型トラック達を見ていこう。
※本稿は2024年6月のものです
文:ベストカー編集部/写真:フルロード、日野、三菱ふそう、UDトラックス
初出:『ベストカー』2024年7月26日号
■シャシーとエンジンの組み合わせもさまざま
日本で中型トラックというと、一般的には「4トン車」、車両総重量(GVW)8tトラックを指すが、海外では、国・地域によりGVWが7.5tや10tを「中型」と呼ぶケースがみられる。
また、日本国内の中型トラック(フォワードやレンジャー、ファイターなど)には、実は中型増トンと呼ばれるGVW11~20t級の大型モデルがあるが、海外向けではさらにGVW24tやそれ以上もあり、名実ともに大型トラックとして展開する場合さえある。
これは仕向地によって最適なシャシーを開発しているためだ。なのでキャブが同じでも、日本の中型とはまるで違うシャシーだったりする。
エンジンは、日本と同じ5L級のほか、新興国向けには3~4L級、大型モデルだと7~8L級、さらに10L級に達するものもある。
シャシーは先進国である欧米向けから、道路事情がよくない新興国・開発途上国向けまでさまざまなバリエーションがある。近年は大型トラック同様、海外専用モデルを導入する事例が目立つ。
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■マツダといすゞの異メーカー混成車?
インドで長年マツダ タイタンを生産していたスワラジマツダは、合弁からマツダ撤退後にいすゞが資本参加して、現在はSMLいすゞとなっている。
そこで生産しているのは「キャブはエルフ(いすゞ)で、シャシーとエンジンはタイタン(マツダ)」というキメラのようなクルマ。
唯一の中型トラック「サムラット1312XT」はキャブも(外観に手を加えているが)タイタンのままだ。安さは市場で最大の魅力なのである。
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