ベストカーでも取材させていただいている大学自動車部。その試合車に関する競技規定が改定される。予算という実力以外の要素によって優劣がつかないようにという配慮だが、初期投資は大きい。厳しい次期マシン規定のなかで最適解となるクルマはどれだ? 専門家に候補を挙げてもらった!

※本稿は2024年6月のものです
文:伊達軍曹、萩原文博、永田恵一、渡辺陽一郎、ベストカー編集部/写真:ホンダ、トヨタ、日産、スズキ、マツダ、ダイハツ ほか
初出:『ベストカー』2024年7月26日号

■全国の大学自動車部が全国でクルマ探し

長年戦闘力を発揮したホンダ インテグラやホンダ シビックは勇退となる。積み重ねてきた整備のノウハウなども一度リセットされる

 ベストカーでは日本全国の大学自動車部で輝く若者の姿を取材させていただいておりますが、そんな取材の最中、チラホラこんな声が聞こえてきました。

 「実は、今の試合車っていずれ使えなくなるんですよ。なので次の車両を探しているところで……」

 試合車が使えなくなる? どういうことだろう? 気になって調べてみたところ、大学自動車部の試合で使う車両の規定が改められ、それの移行がすでに始まっているというのです。

 大学自動車部の試合車といえば、昨今の定番車種としてホンダ インテグラ(DC2)やホンダ シビック(EGやEK)を使う部が大半を占めています。

 それらの車両が、維持コストなどの問題で今後出場ができなくなります。それで、今多くの学校が頭を悩ませているのだとか。なるほどねぇ。……ヨシ! その部車選び、ベストカーも微力ながらお手伝いさせていただきます!

●大学自動車部・次期部車に関する新ルール(抜粋)

 今回の規則は2023年度より改定され、ダートトライアルは2024年から、ジムカーナは2026年から実施するとされている。

 改定の理由はこれまで使っていたインテグラやシビックの維持費高騰が原因で、部の実力以外に資金力で勝る部が優位に立ってしまうという課題があった。あくまで実力のみの勝負とすべく、今回の改定は実施されている。新しい車両規定は以下のとおり。

・2002年1月1日時点以降、新車販売されており、かつ、新車販売開始後10年以上経過した車両

・純ガソリン車の2輪駆動でエンジンの気筒容積が1600cc以下(過給器は認めない。ロータリーエンジンは禁止。HV、PHEV、EV等を除く)

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■伊達軍曹が提案する「次のクルマ、コレどうよ?」

ホンダ フィットRS(2代目)

●ホンダ フィットRS(2代目・中古市場:29.8万~164.5万円)

【車両スペック】●全長3915×全幅1695×全高1525mm ●ホイールベース:2500mm ●車両重量:1050kg ●エンジン形式:1.5L直列4気筒NA ●最高出力:120ps/6600rpm ●最大トルク:14.8kgm/4800rpm ●駆動形式:FF

●トヨタ プロボックス(中古市場:30万~165万円)

【車両スペック】●全長4195×全幅1695×全高1510mm ●ホイールベース:2550mm ●車両重量:1030kg ●エンジン形式:1.5L直列4気筒NA ●最高出力:109ps/6000rpm ●最大トルク:14.4kgm/4200rpm ●駆動形式:FF

●トヨタ ヴィッツRS(2代目・中古市場:35万~139万円)

【車両スペック】●全長3930×全幅1695×全高1500mm ●ホイールベース:2510mm ●車両重量:1030kg ●エンジン形式:1.5L直列4気筒NA ●最高出力:109ps/6000rpm ●最大トルク:14.1kgm/4400rpm ●駆動形式:FF

【伊達軍曹より】年をとってからの貧乏はツラいが、学生は“清貧”なほうがカッコよく見えるもの。よってなるべく安~い車種を選びたい。またプロボックスバンはとにかく頑丈なので、部の予算が少ない大学には最適だ!

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■萩原文博が提案する「次のクルマ、コレどうよ?」

日産 マーチNISMO(4代目)

●日産 マーチNISMO(4代目・中古市場:40万~144万円)

【車両スペック】●全長3870×全幅1690×全高1495mm ●ホイールベース:2450mm ●車両重量:1010kg ●エンジン形式:1.5L直列4気筒NA ●最高出力:116ps/6000rpm ●最大トルク:15.9kgm/3600rpm ●駆動形式:FF

●トヨタ iQ(中古市場:23万~177万円)

【車両スペック】●全長3000×全幅1680×全高1500mm ●ホイールベース:2000mm ●車両重量:950kg ●エンジン形式:1.3L直列4気筒NA ●最高出力:94ps/6000rpm ●最大トルク:12.0kgm/4400rpm ●駆動形式:FF

●スズキ スイフトスポーツ(2代目・中古市場:43万~149万円)

【車両スペック】●全長3890×全幅1695×全高1510mm ●ホイールベース:2430mm ●車両重量:1040kg ●エンジン形式:1.6L直列4気筒NA ●最高出力:136ps/6900rpm ●最大トルク:16.3kgm/4400rpm ●駆動形式:FF

【萩原文博より】スイフトスポーツを本命とした理由は、アフターパーツの豊富さ。自分好みに仕立てることが可能。軽さが武器のマーチNISMO、実はジムカーナで強そうなiQも外せない。

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■永田恵一が提案する「次のクルマ、コレどうよ?」

トヨタ ヴィッツRS(2代目)

●トヨタ ヴィッツRS(2代目・中古市場:35万~139万円)

【車両スペック】●全長3930×全幅1695×全高1500mm ●ホイールベース:2510mm ●車両重量:1030kg ●エンジン形式:1.5L直列4気筒NA ●最高出力:109ps/6000rpm ●最大トルク:14.1kgm/4400rpm ●駆動形式:FF

●スズキ スイフトスポーツ(初代・中古市場:30万~110万円)

【車両スペック】●全長3765×全幅1690×全高1510mm ●ホイールベース:2390mm ●車両重量:1060kg ●エンジン形式:1.6L直列4気筒NA ●最高出力:125ps/6800rpm ●最大トルク:15.1kgm/4800rpm ●駆動形式:FF

●マツダ ロードスター(2代目・中古市場:30万~179万円)

【車両スペック】●全長3955×全幅1680×全高1235mm ●ホイールベース:2265mm ●車両重量:1000kg ●エンジン形式:1.6L直列4気筒NA ●最高出力:125ps/6500rpm ●最大トルク:14.5kgm/5000rpm ●駆動形式:FR

●トヨタ プロボックス(中古市場:30万~165万円)

【車両スペック】●全長4195×全幅1695×全高1510mm ●ホイールベース:2550mm ●車量重量:1030kg ●エンジン形式:1.5L直列4気筒NA ●最高出力:109ps/6000rpm ●最大トルク:14.4kgm/4200rpm ●駆動形式:FF

【永田恵一より】1.6LNAのスイスポとヴィッツ&ヤリス1.5Lは鉄板。前者は速さ、後者は競技での汎用性の広さを評価。NB6ロードスターは(おそらく)条件唯一のFRだ。

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■渡辺陽一郎が提案する「次のクルマ、コレどうよ?」

マツダ デミオ(3代目)

●マツダ デミオ(3代目・中古市場:13万~105万円)

【車両スペック】●全長3900×全幅1695×全高1475mm ●ホイールベース:2490mm ●車両重量:1000kg ●エンジン形式:1.5L直列4気筒NA ●最高出力:113ps/6000rpm ●最大トルク:14.2kgm/4000rpm ●駆動形式:FF

●ダイハツ ミラ(7代目・10万~100万円)

【車両スペック】●全長3395×全幅1475×全高1530mm ●ホイールベース:2490mm ●車両重量:710kg ●エンジン形式:0.66L直列3気筒NA ●最高出力:58ps/7200rpm ●最大トルク:6.6kgm/4000rpm ●駆動形式:FF

●スズキ スイフトスポーツ(初代・30万~110万円)

【車両スペック】●全長3765×全幅1690×全高1510mm ●ホイールベース:2390mm ●車両重量:1060kg ●エンジン形式:1.6L直列4気筒NA ●最高出力:125ps/6800rpm ●最大トルク:15.1kgm/4800rpm ●駆動形式:FF

●トヨタ ヴィッツRS(初代・46万~139万円)※2000年10月〜2001年12月までのモデル除く

【車両スペック】●全長3660×全幅1660×全高1485mm ●ホイールベース:2370mm ●車両重量:980kg ●エンジン形式:1.5L直列4気筒NA ●最高出力:109ps/6000rpm ●最大トルク:14.4kgm/4200rpm ●駆動形式:FF

【渡辺陽一郎より】軽くて小さく、手足のように操れる安価な車種を選ぶ。1.6Lの先代か2世代前のスイフトスポーツ、3代目デミオの1.5スポーツ、3代目ヴィッツ1.5RSなら、MTも選べてワザも使えるから楽しい。軽だがミラも車両寸法的にお薦めだ。

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【コラム】商用車のプロボックスは競技車として使えるのか?

 実を言うと、プロボックスは競技車として充分使える。MT仕様もあるし、初代についてはヴィッツと構造がほぼ同じなので競技用部品も多数流用できる。LSDだって組める! ホイールベースも長いので直進安定性も優れる、隠れたベース車だ。

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