ベストカーでおなじみのスーパーGT GT300クラス56号車「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」。今回は第4戦となる富士スピードウェイでの真夏の戦いはどうなったのか? メカニックのたゆまぬ努力が見えてきたぞ。
文/写真:ベストカーWeb編集長 塩川雅人
■フリー走行一番時計で予選に臨む
今シーズンは性能調整に苦しみ、ちょっぴり愚痴も言いたくなるような56号車。レースを考えれば速いクルマがずーっと勝ち続けるのは面白くはないが、やってるドライバーからすれば「勘弁してよ」ってハナシなのも分かる。
もちろんルールはルールでそれに従って走るのがモータースポーツなわけで、とにもかくにも走るしかない。割と厳しい戦いを強いられているGT-R GT3だが、KONDOレーシングにとっては佐々木大樹選手とJ.P.オリベイラ選手のタッグでハンディもなんのその。
フリー走行では1番時計を獲得、近藤真彦監督も「今回は勝ちにいくからね」といつも以上に自信満々。
臨んだ予選では併催されているFIA F4でのアクシデントにより、路面にオイルが散乱し、その処理の影響でGT300のみWETレース時のフォーマットとなった。つまりQ2のみのタイムが採用される。
このハプニングもあり56号車は予選6位という結果になった。もちろん絶望するタイムではないし、いつもの56号車なら表彰台は手堅いグリッドだ。
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■エンジントラブル発覚で25時までエンジン脱着に
そんな予選が終わり明日は決勝……と思いきやKONDOレーシングのメカニックには思わぬ仕事が待っていた。それがエンジンの脱着だ。マシンに予選から不具合と思しき症状が出ており、メカニック氏の言葉を借りれば「万全を期して」エンジンを下ろしたという。
するとエンジン回りのパーツに劣化を発見。この入念なメンテナンスは、GT-Rの酸いも甘いも知り尽くしたメカニックの功績だろう。ちなみに25時までその作業は続いたというから頭が下がる(今日はゆっくり寝られますように‥…)。
もちろん日産自動車大学校の学生、そして日産ディーラーから参加しているメカニックたちはその作業には参加しなかったが、レースメカニックのプロ意識にうなずくばかりだった。自分の担当する製品を徹底的に学び、故障診断を的確に行う。これはディーラーでも同様であり、学びに繋がったはずだ。
気になる決勝はファーストスティントの佐々木大樹選手がマシンをいたわりつつペースをキープ。交代したオリベイラ選手が「待ってました」と言わんばかりの激走で一時は2位に迫るも、最終的には3位フィニッシュ。
チェッカーを受けたタイミングがGT500の1位とほぼ同時でドライバーも混乱し、ゴール後にストップするシーンもあったが、無事3位でポディウムに乗ることとなった。メカニックの頑張りも報われる成績だったのではないだろうか。
次はまだ残暑の残る鈴鹿。起伏の激しい伝統のコースでどう戦うか、56号車から目が離せない!!!
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