米国のインフィニオン テクノロジーズは8月9日、マレーシアにおいて世界最大かつ最も競争力のある200mm炭化ケイ素(SiC)パワー半導体工場を開設した、と発表した。

新工場は20億ユーロを投資し、SiCパワー半導体の製造に重点を置く。これにより、インフィニオンはパワー半導体の世界的リーダーとしての地位をさらに強化するという。

SiC半導体は、電気をより効率的にスイッチングし、より小型の設計が可能であるため、高出力アプリケーションに適している。これにより、EV、急速充電ステーション、鉄道、再生可能エネルギーシステム、AIデータセンターなどの効率が向上する。

同社は新工場を順次拡張していく。第2フェーズでは、最大50億ユーロを投資し、さらに工場を拡張する計画だ。プロジェクト全体では、最大4000人の雇用が創出される見込み。インフィニオンは総額約50億ユーロの新規案件を獲得し、既存および新規の顧客から約10億ユーロの前払いを受けている。

クリム第3工場は、オーストリアのフィラッハ製造拠点と密接に連携しており、迅速な立ち上げと高効率な運用を可能にする技術とプロセスを共有している。このプロジェクトは、インフィニオンの顧客に高い弾力性と柔軟性を提供する。

また、クリム第3工場は100%グリーン電力で運用され、カーボンニュートラルの目標を支えるため、最新のエネルギー効率対策を採用している。排ガス削減システムやグリーン冷媒の使用、間接材料のリサイクル、水効率とリサイクルプロセスなど、持続可能な運用を確実にする施策も導入されている。

インフィニオン テクノロジーズは、パワーシステムとIoTにおける半導体分野のグローバルリーダーを自負する。脱炭素化とデジタル化を推進している。全世界で約5万8600人の従業員を擁し、2023年会計年度の売上高は約163億ユーロでだ。

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