車両価格300万円オーバーとなると、購入にはちょっと躊躇する金額だが、その意中のモデルに200万円台で買えるグレードがあるとするとかなり食指は動く。ただ購入後に後悔はしたくないし、「実質損した!」なんてことも避けたい。そこで、渡辺陽一郎氏が迷えるみなさまに買い得感を本音でレクチャーする!!

※本稿は2024年7月のものです
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカー編集部、トヨタ、ホンダ、三菱、マツダ、スバル
初出:『ベストカー』2024年8月26日号

■トヨタ プリウス1.8X(275万円)おすすめ度:★☆☆☆☆

全長4600×全幅1780×全高1420mm、1350kg、1.8L、直4(98ps/14.5kgm)+モーター(95ps/18.9kgm)、32.6km/L

 Xの価格は275万円と安いが、320万円のGが買い得だ。GはXよりも45万円高いが、Xにオプション設定される8インチディスプレイオーディオのセット(Xのオプション価格は約23万円)、19インチアルミホイール(約11万円)など合計41万円相当の装備が加わる。

 そうなると45万円の価格差から41万円を差し引いた4万円で、Gには2Lエンジンを使うパワフルなハイブリッドが搭載される。1.8LのXよりも断然買い得だ。

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■トヨタ カローラクロス ハイブリッドS(2WD・298万円)おすすめ度:★★★★★

全長4490×全幅1825×全高1620mm、1370kg、1.8L、直4(98ps/14.5kgm)+モーター(95ps/18.9kgm)、26.4km/L

 カローラクロスでは、ハイブリッドSが最も買い得だ。ハイブリッドの価格はノーマルエンジンよりも35万円高いが、購入時に納める税額は約10万円安く、実質価格差は25万円に収まる。レギュラーガソリンの価格が170円/Lとすると、約6万kmを走れば実質価格差を燃料代の節約で取り戻せる。

 ハイブリッドSには、バックガイドモニターやアルミホイールなど人気の装備も標準装着されるから、買い得感が強い。

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■トヨタ RAV4 2.0X(2WD・293万8000円)おすすめ度:★★★☆☆

全長4600×全幅1855×全高1685mm、1570kg、2L、直4(171ps/21.1kgm)、15.2km/L

 RAV4はハリアーと基本的なパワーユニットやプラットフォームを共通化したSUVだが、車種の性格はシンプルで、日常的なツールになり得る。

 最も推奨度の高いグレードは、後輪左右の駆動力配分を積極的に変化させる機能を備えた2Lノーマルガソリンエンジンを搭載するアドベンチャー4WDだが、価格の安さを重視するなら、300万円を下まわる2WD・Xの選択もあり得る。価格のわりに車内が広く実用的なのも魅力だ。

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■トヨタ ノア 2.0G(2WD・297万円)おすすめ度:★★★☆☆

全長4695×全幅1730×全高1895mm、1630kg、2L、直4(170ps/20.6kgm)、15.1km/L

 ノア&ヴォクシーでは、機能と価格のバランスを考えると、ノアのほうが買い得だ。外装がシンプルな代わりに、価格も5万~7万円安く、エアロパーツを装着しない標準ボディも用意する。ますます価格を抑えられる。

 パワーユニットは、ハイブリッドが割安だ。価格は35万円高いが、購入時の税額は安く、実質価格差は23万円に縮まる。それでも低価格を重視するなら、ノーマルガソリンエンジンのGでもいい。

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■ホンダ ヴェゼル e:HEV X(2WD・288万8600円)おすすめ度:★★★★☆

全長4340×全幅1790×全高1580mm、1350kg、1.5L、直4(106ps/13.0kgm)+モーター(131ps/25.8kgm)、26.0km/L

 グレード構成は、ハイブリッドのe:HEVが中心だ。e:HEV・Xは、最も安価なグレードだが、衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能、フルLEDヘッドランプ、アルミホイールなどを標準装着している。

 一番買い得なグレードは、マイチェンで新設されたe:HEV・Xに11万円を上乗せして、ルーフレールや内外装の各種装備が充実するe:HEV・Xハントパッケージだ。しかしベーシックなe:HEV・Xも選ぶ価値は充分にある。

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■三菱 エクリプスクロス M(4WD・299万3100円)おすすめ度:★★★☆☆

全長4545×全幅1805×全高1685mm、1520kg、1.5L、直4ターボ(150ps/24.5kgm)、12.4km/L

 三菱のSUVは、アウトランダーPHEVが主力だが、ボディの少しコンパクトなエクリプスクロスも用意される。しかもアウトランダーに設定されない直列4気筒1.5Lターボも用意され、Mなら4WDでも価格は300万円以下だ。

 ただし最も安価なグレードだから、ヘッドランプがハロゲンになり、後側方車両検知警報も装着されない。できればこれらが備わるGを選びたいが、300万円以下の価格を重視するなら選ぶ価値はある。

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■マツダ CX-30 20Sブラックトーンエディション(299万900円)おすすめ度:★★★★★

全長4395×全幅1795×全高1540mm、1500kg、2L、直4(156ps/20.3kgm)、15.5km/L

 お買い得グレードは、2Lガソリンを搭載する20Sブラックトーンエディションだ。マツダのSUVではクリーンディーゼルターボが本命だが、CX-30のディーゼルは1.8Lなのに、価格が2Lガソリンに比べて約28万円高い。

 車格が上のCX-5では、ディーゼルの排気量が2.2Lに拡大されながら、2Lガソリンとの価格差は31万9000円だ。CX-30の1.8Lディーゼルは相対的に割高で、ガソリンが買い得になる。

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■スバル クロストレック ツーリング(4WD・288万2000円)おすすめ度:★★★★★

全長4480×全幅1800×全高1575mm、1590kg、2L、水平対向4(145ps/19.2kgm)+モーター(13.6ps/6.6kgm)、15.8km/L

 駆動方式は4WDを選ぶ。最低地上高が200mmのボディを有効活用できるのは4WDで、価格も割安になるためだ。

 4WDの価格は2WDよりも22万円高いが、ヘッドランプウォッシャーなども標準装着され、4WDの正味価格は18万円だから推奨できる。

 グレードはツーリング。リミテッドには前席の電動調節機能も採用されるが、ユーザーによりニーズが異なるため、ツーリングに必要な装備をオプションで加えると割安となる。

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【200万円を切るSUV】トヨタ ヤリスクロスX(ガソリン車・2WD)はおすすめか?

トヨタ ヤリスクロスX(ガソリン車・2WD)おすすめ度:★☆☆☆☆ 190万7000円!

 ヤリスクロスに1.5L、直列3気筒のノーマルガソリンエンジンを搭載するXの2WDは、200万円を切る190万7000円に価格を設定して求めやすいように感じる。

 しかし、ヘッドランプはハロゲン専用になってLEDはオプションでも装着できない。後方の並走車両を検知するブラインドスポットモニターも付けられない。

 ディスプレイオーディオは、ほかのグレードには標準装着されるのに、Xだけはオプション設定だ。

 スピーカーもほかのグレードは6個だが、Xは2個になる。この点を踏まえると、約24万円高くなるが215万円のGを推奨したい。

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