ステランティスジャパンは、フィアットブラントとして約1年半ぶりとなる新型モデル、100%バッテリーEVのフィアット600e(セイチェントe)の受注を2024年9月10日から開始した。そして9月26日にはフィアット600eと同じプラットフォーム、パワートレーンを採用した兄弟車、ジープアベンジャーが発売される予定だ。この2台の兄弟車はいずれもヤリスクロス級のコンパクトなサイズで日本市場にもピッタリ!

文:ベストカーWeb編集部/写真:ステランティスジャパン、ベストカーWeb編集部

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■フィアット500の姉貴分、600(セイチェント)の魅力とは

2024年9月東京・二子玉川ライズで行われたフィアット500eの新車発表会。左はステランティスジャパンの打越晋社長、右はフィアットブランドチーフデザイナーのフランソワ・ルボワンヌ氏

 2024年9月10日、ステランティスジャパンはBセグメントのコンパクトBEV、フィアット600e(イタリア語で600はセイチェント)の発売を開始した。ステランティスジャパン打越晋社長が「未来のステランティスジャパンをリードするクルマ」とアピールするように、日本市場においてフィアットのBEVを牽引する存在になりそうだ。

初代フィアット600(1955~)

 エクステリアはひと目見てわかる“かわいい”をキーワードにした丸みのあるデザインで、2022年4月に上陸した500eや1955年に登場した初代フィアット600からインスピレーションを得ている。フィアット600eはいわばフィアット500eの姉貴分的な存在で、実際、「ウエルカム、ビッグシスター(ようこそ、お姉さん)」というCMコピーを使っている。

フィアット600e。3ドア譲りのかわいらしさは健在で5ドアハッチバックのクロスオーバースタイル

 チンクエチェント(イタリア語で500の意味)は3ドアハッチバックだが、この600eは5ドアハッチバック。フィアット500のホイールベースを伸ばして5ドア化した派生モデルではなく、新しいプラットフォームCMPを採用している。だから愛嬌のあるフロントマスクや全体のフォルムは5ドアになっても無理くり感がない。

2022年6月に日本導入したフィアット500e。118ps/220kWのモーターと42kWのバッテリーを備える。一充電あたりの航続距離は335km

 ボディ同色の楕円形ヘッドライトは、ボディ同色の瞼のついた楕円形LEDヘッドライトとその横には600のロゴ、ヘッドライト下にはデイタイムランニングライトを配置。

愛嬌のあるフロントマスク

 バンパー下部や前後フェンダーには樹脂製パーツが取り付けられているところがフィット500と違うところで、215/55R18タイヤと組み合わされるダイヤモンドカットホイールとフェンダーとのクリアランスが大きくとられている。そう、フィアット600eはクロスオーバーSUVスタイルとなっている。

樹脂製のバンパーやフェンダーを装備。5ドアになってもまったく違和感のないスタイル

 ボディサイズは全長4200×全幅1780×全高1595mm、ホイールベースは2560mm。日本車のクロスオーバーSUVでいうと、全長4180×全幅1765×全高1590mm、ホイールベース2560mmのヤリスクロスとほぼ同じサイズというとわかりやすいだろうか。

 プラットフォームはステランティスのコンパクトモデル用となるCMPで、容量54kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。普通充電および急速充電に対応する。交流同期式モーターは前輪を駆動し、最高出力は156ps/4070~7500rpm、最大トルクは270Nm/500~4060rpmを発生。一充電あたりの航続距離はは493km(WLTCモード)。

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■レトロ&モダン、最新装備満載のコクピット

レトロ&モダンなコクピット。7インチのTFTマルチファンクションディスプレイや10.25インチタッチパネルモニターを備える

 インテリアはアイボリーカラーを基調とし、丸形のメータークラスターや、2スポークステアリングホイールなど、初代「600」からのデザイン要素を取り入れている。

 シートには、アイボリーカラーのエコレザーシートを採用し、FIATロゴのエンボスおよびターコイズブルーステッチをアクセントとして追加。「アクティブランバーサポート」と呼ばれる運転席のマッサージ機能やハンズフリーパワーリフトゲート、プロキシミティーセンサー付きキーレスエントリーシステムなどがフィアット車として初採用となった。

 コクピットに座ってまず目に入ってくるのは7インチのTFTマルチファンクションディスプレイや10.25インチタッチパネルモニター(AppleCarPlay/AndroidAuto、Bluetooth対応&ナビゲーション)などの最新機器。

 600のロゴが入った2スポークのステアリングや薄いベージュとブラックのラウンドしたパネルは最新のフィアットらしいセンスのいいデザインで質感も高かった。ちなみにシフト操作はセンターコンソール下にあり、左からP‐R‐N‐D/Bのスイッチによって行われる。

アイボリーカラーのエコレザーシート。フィアットロゴ入りのエンボスおよびターコイズブルーのステッチをアクセントして加えている

 5ドアハッチバックだけに、室内の居住スペースは狭いのか、広いのか気になっている人も多いだろう。運転席は身長175cmの人が座っても頭上空間はこぶし2つ入り、問題なし。

 身長175㎝の人が運転席に座って最適なポジションにセットし、後席に座ってみる。膝前空間はこぶし1つ、頭上空間もこぶし1つ入るので、こちらも問題ないので、家族4人乗車は快適に過ごせるだろう。3ドアで二の足を踏んでいた人にも満足できる広さではないだろうか。

後席は身長175cmの人が座ると頭上空間、膝前空間ともにこぶし1つ入る。余裕をもって座ることができる

 ラゲッジルームはなんとホンダフィット(330L)よりも広い360Lという容量を備えており、後部座席を倒した状態で、最大1231Lの積載が可能。またリアバンパーに足を入れるとリアゲートが開くハンズフリーパワーリフトゲートも備えている。

トランク容量は360Lとフィットの330Lより30L大きい。もちろん倒すことも可能だ

 運転支援システムの充実にも注目したい。アダプティブクルーズコントロールや衝突被害軽減ブレーキ、レーンキープアシスト、トラフィックサインレコグニション、ブラインドスポットモニター、360度パーキングセンサーなどを標準装備。

 さらに任意の位置を設定しステアリングを握ることで、その位置を維持するレーンポジションアシスト機能、運転席のシートマッサージ機能のアクティブランバーサポート、リアバンパー下に足を入れるとトランクゲートが開くハンズフリーパワーリフトゲート、クルマのロックを車両範囲1mから遠ざかると自動施錠、車両範囲3m以内に接近すると自動施錠するキーレスエントリーをフィアットブランドとして初めて搭載した。

 ボディカラーはフィアットブランドとして新色となる「サンセットオレンジ」と「スカイブルー」、「ホワイト」の3色から選択できる。

 日本に導入されるのは最上級グレード「La Prima(ラプリマ)」の右ハンドル仕様車のみ、価格は585万円。EV補助金は65万円がサポートされる予定。

 尚、今回の600eに続き、2025年春に1.2L、直3エンジンを搭載するマイルドハイブリッド車も導入することも明らかにしている。

 フィアット 600eの日本デビューを記念して、2024年9月10日~9月23日まで、二子玉川ライズガレリアにおいて「フィアット チャオ 600e フェスタ」として、600eをはじめとするフィアットのラインナップ展示や特別試乗会、キッチンカーによるフィアット カフェの出店など多彩なイベントを実施しているので、訪れてみては!

二子玉川駅を降りるとすぐある二子玉川ライズガレリアに2024年9月10日~9月23日まで展示中

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■フィアット600eの兄弟車、ジープアベンジャーにも注目!

2024年9月26日に日本発表予定のジープアベンジャー

 フィアット600eと同じCMPプラットフォームを採用する兄弟車、ジープアベンジャーが9月26日に発表されることも合わせて紹介しておきたい。

 ジープアベンジャーは全長4105×全幅1775×全高1595mmのコンパクトクロスオーバーSUV。ジープ初の100%バッテリーEVで54kWのモーターを搭載し、156ps/270Nmを発生し、一充電あたりの航続距離は486㎞(WLTCモード)。

 またジープ初の前輪駆動車としてセレックテレインとヒルディセントコントロールを標準装備しており、200mmの地上高、20度のアプローチアングル、32度のデパーチャーアングルとともに、このセグメントでは予想外のオフロード性能を持つ

 ティザーサイトやオープンしており、「Avenger Launch Party(アベンジャー ランチ パーティー)」というイベントも開催する。発表日の19時からTOKYO NODE(東京都港区虎ノ門二丁目6番2号 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー)にて行われる。特別ゲストにミュージシャンのTENDRE氏および、YonYon氏が招かれる。

「Avenger(アベンジャー)」ティザーサイト

「Avenger Launch Party(アベンジャー ランチ パーティー)」特別サイト

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