9月12日にマイナーチェンジが発表されたばかりのホンダ『シビック』。6MTのみの設定で、ターボエンジン×MTと時代に逆行するようなスポーツグレードである「RS」が話題となっている。今や貴重になったMTモデルという事で、対抗といえるのは車格的に見るとGRカローラのみといえる状況だ。

乗り味、感触、楽しさ等の数字には現れない所が重要なスポーツモデルではあるが、敢えてスペックシートの数字から両者を比較してみよう。

◆外寸比較

ホンダ・シビックRS

・シビック
全長:4560mm
全幅:1800mm
全高:1410mm
ホイールベース:2735mm
最小旋回半径:5.7m

トヨタ GRカローラ

・GRカローラ
全長:4410mm
全幅:1850mm
全高:1480mm
ホイールベース:2640mm
最小旋回半径:5.5m

外寸の比較ではGRカローラがやや小ぶりな印象を受ける。しかし、全幅ではGRカローラの方が大きかったりとそこまで大きな差ではないだろう。ただ、やはりセダンであるシビックの方が車内空間やトランクルームなどは広いことがうかがえる。

◆エンジンスペック

ホンダ・シビック(ガソリン)、1.5L 直噴VTEC TURBOエンジン

・シビック
原動機型式:L15C
種類:直列4気筒
総排気量:1.496L
エンジン最高出力:134kW(182PS)/6000rpm
エンジン最大トルク:240Nm(24.5kgfm)/1700-4500rpm

GRカローラに搭載される1.6リットル直列3気筒インタークーラーターボエンジン

・GRカローラ
原動機型式:G16E
種類:直列3気筒
総排気量:1.618L
エンジン最高出力:224kW(304PS)/6500rpm
エンジン最大トルク:370Nm(37.7kgfm)/3000-5550rpm

エンジンスペックではGRカローラが大きな差をつけた。100cc大きい排気量やGRの名前にかけてここは譲れない所だろう。GRヤリスの為に開発されたG16エンジンは、もはや1.6Lクラスの出力ではない。シビックも1.5Lクラスとしてはかなり高出力な部類ではあるが、CVTを搭載するLXやEXと同一エンジンの為、スポーツ性を意識しながらも燃費や扱いやすさに重点を置いて開発されたことが予想される。

◆燃費

ホンダ・シビックRS、6速マニュアルトランスミッション/本革巻アルミシフトノブ

・シビック
WLTCモード:15.3km/L
市街地モード:11.3km/L

トヨタ GRカローラ

・GRカローラ
WLTCモード:12.4km/L
市街地モード:8.9km/L

燃費面では逆にシビックがリードする結果となった。もちろん、スポーツカーだって普段使いでの燃費は重要なため、あまり軽く見ない方が良いだろう。GRカローラも300馬力のエンジンのわりには健闘した結果といえるが、燃費重視で開発されたシビックには差をつけられる結果となってしまった。

◆価格

ホンダ・シビックRS

・シビック
419万8700円~

トヨタ GRカローラ

・GRカローラ
525万円~

価格面でもシビックに軍配が上がる結果となった。GRカローラは軽量化や高剛性化を意識してカーボンルーフを採用したり、専用開発のエンジンを搭載するなど、走行性能を極限まで高めたため、ベースとなるカローラスポーツ比ではほぼ倍と高額になってしまったことは否めない。

もちろん、300点以上のスポット増しや構造用接着剤の増量などメーカーでしかできないチューニングに加え300馬力のターボエンジンに専用設計の4WDシステムなど内容を考えればお得ともいえるプライシングだが、同価格帯の他車に比べると乗り心地や先進装備などが劣ってしまう点もあり、好みがわかれる車といえそうだ。

その点、シビックは6MTを装備し専用サスペンションで武装するなどスポーツ性を高めながらも、先進装備が付いて420万円を切る価格という事で万人受けする仕様に仕上がったといえるだろう。

【トヨタ GRカローラ 新型試乗】「GRヤリス」とはスタンスが明確に違う理由…河村康彦
https://response.jp/article/2024/04/22/381357.html

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