ステランティスジャパンは9月26日、ジープ・ブランド初のフル電気自動車『アベンジャー』(Jeep Avenger)を日本市場向けに発表、同日から全国のジープ正規ディーラーで販売を開始した。日本におけるコミュニケーション・タグラインは「その日常に電気が走る」だ。


◆コンパクトなボディ

ステランティスジャパンの打越晋代表取締役社長は「バッテリーEVは車の個性がだし出しにくいと言われるがアベンジャーは違う。ここまでブランドにこだわった電気自動車を私は見たことがない。アベンジャーはこれまでの電気自動車とは別のカテゴリーにある」と誇る。

アベンジャーの全長は4.1m。ステランティスジャパンの渡邊由紀プロダクトジェネラルマネージャーは「『レネゲード』よりも全長が15cmほど短い、さらにコンパクトなボディとなった。女性にもアピールできる」と市場でのポジションを説明する。

◆ジープDNAは機能性を考慮したデザイン

アベンジャーのデザインテーマは「Design to function(機能性を考慮したデザイン)」だ。渡邊プロダクトジェネラルマネージャーはデザインについて「コンパクトなボディにジープのDNPを100%注ぎ込むための開発方針のひとつだ」と明かす。

アベンジャーのエクステリアは、フロントに「7スロットグリル」を採用し、ヘッドランプを保護するようなデザインのフロントエンドが特徴だ。リアには「X」型のシグネチャーライトが装備され、これがアベンジャーのアイコンとして車両全体にアレンジされている。また、フロントやリアウィンドウなど各部に隠れキャラクターが配置され、遊び心も感じられる。

インテリアでは「Design to function」をコンセプトに、多くの収納スペースが確保されている。ラゲッジルーム容量は355L(ジープダック2443匹を収納可能)と広々しており、ハンズフリーパワーリフトゲートも装備しているため、荷物を持った状態でもトランクを開けやすい。

◆本格的なオフロードも走行可能な6つの走行モード

オフロード性能においては、ジープの前輪駆動車として初めて「Selec-Terrain(セレクテレイン)」と「ヒルディセントコントロール」が標準装備され、6つの走行モードが選択可能だ。これにより、様々な路面状況での走行をサポートする。また、急な下り坂では一定の速度を保つ「ヒルディセントコントロール」が、ドライバーの安全運転を助ける。

本格的なオフロードも走行可能な6つの走行モードは、アベンジャーの個性として打腰社長が強調するところだ。「ジープの電気自動車として、 このアベンジャーは新たなステージに挑む。ユーザーに探求心、冒険心を呼び起こす起爆剤になってほしい」と語る。

◆航続は486km、フリーダム・オブ・チョイス

パワートレインには54kWhのバッテリーを搭載し、一充電での航続はWLTCモードで486kmを実現する。普通充電および急速充電に対応しており、長距離ドライブにも適している。また、バッテリーは約200万km以上のテストを経ており、耐久性にも期待できる。

ステランティスでジープ・ブランド担当世界製品部門ヘッドを務めるマット・ナイクイスト氏はパワーユニットの設定について、「ブランドのコアを守りながら、顧客へのリーチを広げるのが戦略だ。フリーダム・オブ・チョイス、選択の喜びを顧客に提供したい。動力のマルチエネルギーはその延長にある」と説明する。

アベンジャーの希望小売価格(税込)は580万円、「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」は65万円となっている。

新型の発売を記念して、「Jeep Avenger Launch Edition」仕様を150台限定で販売する。特別装備としてパワーサンルーフ、18インチアルミホイール、ブラックペイントルーフ、イエローダッシュボードが付いており、ステランティスジャパンによると総額約33万円相当の特典が含まれながら、価格は標準モデルよりプラス15万円の595万円だ。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。