日本自動車輸入組合(JAIA)は11月15日と16日の2日間、東京丸の内エリアの複数会場において、最新の輸入電動車の展示イベント「JAIAカーボンニュートラル促進イベント in 東京」を開催中だ。12社から37台(事前集計)が展示されている。

展示会場は行幸通り、丸ビル屋外スペース、KITTE テラス(屋外)、東京ビルTOKIAガレリアの4か所。東京駅と皇居との間の行幸通りは、15日限りの特設会場だ。ここに展示されていたのがフォルクスワーゲンがすでに欧米市場では導入を進めている、フル電動ミニバンの『ID. Buzz』だ。

ID. Buzzは、VWのアイコンのひとつとしても親しまれてきた『タイプ2』マイクロバスをEVとして復活(?)させたモデルだ。2022年春に欧州で発表され、同年12月には東京でも展示された。続いて2023年3月に「日本導入が正式決定」と発表され、導入時期は「2024年後半以降」とされた。そして2024年2月に発表された事業計画では「プレセールス活動を年の後半に開始」とアナウンスされた。

しかし、展示会場の銀杏並木はそろそろ色づき始めているが、フォルワーゲンジャパンからID. Buzzの導入予定についての発表はまだない。現場で話を聞いたところ「2025年の年央」に向けて検討しているようだ。

障害は、日本で最初に展示された時から言われていたが、やはり価格だ。欧州での価格をそのまま日本円に換算するとかなり高額になる。日本市場のミニバンは装備や質感もよく、ID. Buzzは分が悪い。フォルワーゲンジャパンでも、日本仕様の装備や価格設定などについて、本国本社とやりとりしているという。

いっぽうID. Buzzは“キャラ立ち”した車なので、プロモーションは仕掛けやすいだろう。例えば観光地やリゾートでシェアリング車両として提供することが考えられる。フォルワーゲンジャパンでは神奈川県の葉山で『e-ゴルフ』を無料で貸し出していた実績がある。またミニバン仕様ではなく、カーゴ仕様を導入して、ユーザーにより自由に使ってもらえるよう準備することも考えられる。こちらはフィアットが『デュカト』をカスタムベースとして展開している例がある。最近の日本車では、既存のラインナップにアウトドア活動向けの装備・装飾をした仕様を追加する例も見られるので、需要はあるはずだ。

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