最近だと様々な問題が露呈し、北米での不振もあり再び業績が落ち込んでいる日産。だが技術の日産と言われているだけあり、e-POWERやGT-R、フェアレディZなど我々ユーザーを楽しませてくれる要素は盛りだくさんだ。そこで今回は「自動車総裁選」と題して、日産から5車種の立候補車と総裁を選定した。
※本稿は2024年9月のものです
文:片岡英明、松田秀士、渡辺陽一郎/写真:日産、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年10月26日号
■片岡英明氏の選評
1990年代末の危機的状況からV字回復したゴーン時代と比べ、再び業績が落ち込んでいる日産。
フェアレディZとGT-Rはいまだに旧来からの支持層が厚い一方、肝心のファミリー系モデルは旧態依然としたメカとデザインで、厳しい評価にならざるを得ない。
政策実行力と新鮮さでアドバンテージがあるEVのアリアも、経済政策の弱さなどが響いているのか、人気のほうは今ひとつだ。
■松田秀士氏の選評
日産は古参議員のGT-Rが今も党の象徴として大きな権力と基盤になる支持者を握っている。
また、Zやスカイラインといったかつてのスター議員にテコ入れする党内法案もオールドファンを中心に脚光を浴びた。しかしアリア、セレナのe-POWER連盟の躍進も近ごろは目覚ましい。
特に室内が広く、このクラスのミニバンとしてはよい燃費を叩き出しているセレナの実力は抜きん出ており、高く評価した。
■渡辺陽一郎氏の選評
有力候補はセレナ。ファミリー層の支持が厚く、人気も高い。政策実行力、対外政策、e-Powerの搭載によって経済政策も申し分ない。
その一方、日産が推進するEV政策の今後と同社のブランドイメージを考えると、アリアも総裁の有力候補といえる。中高年齢層の根強い支持を踏まえると、GT-Rも資格は充分にある。
■決定! 総裁は……日産 セレナ
新旧入り乱れる混戦を制したのはセレナ。総合的な実力のバランスが勝敗を決めた。副総裁にはZが就き、統率を強める。
■サクラは若手のホープ!
今回、残念ながら出馬を見送ったのはサクラ候補だが、軽EVというパッケージングによる政策実行力と対外政策の手腕は確か。次回の出馬に期待できる若手のホープだ。
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