11月12日、UDトラックスはアフターサービスの技能コンテスト「UD現場チャレンジ2024」の決勝戦を、埼玉県上尾市の本社内にあるUDエクスペリエンスセンターで開催した。同大会では、どんなことを競うのか?

文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部

「UD現場チャレンジ」とは?

UDエクスペリエンスセンターで開催されたUD現場チャレンジ2024の競技風景

 UD現場チャレンジは、全世界のUDマーケットでアフターサービスに従事する従業員を対象に、知識と技能のトレーニングを目的として2014年より隔年開催している競技イベント(2020年はコロナで中止)。

 5回目、10周年を迎えた今大会は、過去最多となる44の国と9の地域で723チーム・2732名がオンライン形式のラウンド1、2に渡る予選に参加し、このうちパーツ、フロント、メカニックからなる3~4名を1チームとした10カ国14チームがUDエクスペリエンスセンターでの決勝戦に進出した。

出場国・チームの内訳
クエスターの部:ボリビア、フィリピン、インドネシア、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、南アフリカ、タイ
クオンの部:日本(金沢CC、西淀CC、深谷CCの3チーム ※CC=カスタマーセンター)、オーストラリア(2チーム)、南アフリカ、シンガポール

決勝戦に出場した14チーム。南アフリカはクオン・クエスターが併売されており両部門のファイナリストに選出された

高度な専門知識が求められる競技内容

 競技は、「エレクトリック(配線図・故障診断)」、「エンジン(点検・良否判定)」、「テックツール(オシロスコープ機能の活用・エンジン不始動原因推定)」、「トランスミッション(較正・問題特定・修正)」、「コマーシャル(ワランティクレーム自主監査)」の5つの課題が用意されており、各課題持ち時間30分でメカニック、パーツ、フロントが連携して取り組む内容になっている。

 その詳細は、

・エレクトリック
配線図を参照しながら条件通りにワイパーモーターが動くように各電気部品を結線というもので、「Low」で低速回転、「Hi」で高速回転、「Off」で定位置でモーターが停止することが条件。

「エレクトリック」では各電気部品の構造と機能、配線図で使われている記号やコードの意味などの知識が求められる

・エンジン
精密測定機器を使いバルブ面からシリンダーヘッド面までのバルブ深さを測定。測定結果に基づく良否判定およびその判定に基づく処置を決定し、処置に必要な部品番号を調べる。

精密測定機器を用いて行なわれる「エンジン」の課題競技

・テックツール
エンジンが始動できない車両を使い、テックツールのオシロスコープ機能を用いて信号波形の状態から不具合の原因を診断する。

テックツールの機能を用いた故障診断の様子。今回の現場チャレンジには女性ファイナリスト3名が出場。写真の女性はタイのパーツアドバイザー

・トランスミッション
組み立てた「ESCOT-Ⅴ」トランスミッションのコントロールハウジングの動作テストを行ない、問題がある場合は修正、再度テストし修正が正しいか確認する。

「トランスミッション」では、AMTの構造と機能の理解や、テックツールの
「較正」機能が正しく使えるかが求められる

・コマーシャル
ワランティクレーム部品の管理が正しくできているか、クレームの記載内容に不備がないか審査し、間違いや不備があれば指摘する。

正しい不具合コードを選択でき、申請書を正しく記載できるかが求められる「コマーシャル」の課題競技

といった内容だ。

 大会結果は下記の通りで、クオンの部では深谷CCが優勝、西淀CCが2位となり、日本のアフターサービスの技量の高さが証明される結果となった。

【クオンの部】
優勝:日本代表 「Fukaya Specialists(チーム名)」(深谷カスタマーセンター)
2位:日本代表 「Ultimate Dynamite」(西淀カスタマーセンター)
3位:南アフリカ代表 「KENZO」

【クエスターの部】
優勝:インドネシア代表 「Great Mates」
2位:サウジアラビア代表 「Zahid Tractor Samurai」
3位:フィリピン代表 「Kit Kat」

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