カーオーディオシステムのバージョンアップに関心を抱くドライバーに向けて、その思いを実行に移そうとするときに役立つ「製品の選び方のポイント」を全方位的に解説している当連載。今回からは新章に突入し、「メインユニット交換」について考察していく。

◆現代のメインユニットに求められるのは、“スマホ連携力”!

まず今回は、「メインユニット」を交換する意義について考えてみたい。ちなみにいうと、かつてはカーオーディオシステムの性能を上げようとするときには、メインユニット交換から始められることが多かった。システムの最上流に何を使うかで、最終的な出音の質が変化するからだ。つまり、音楽プレーヤーに何を使うかも、音質アップのための重要なポイントの1つとなる。

なお現代でも音楽プレーヤーに何を使うかが重要な問題であることには変わりはない。しかしメインユニットが音楽プレーヤーとして使われる頻度は確実に低くなっている。なのでこれを交換することの意味合いが、昔とは大きく変化した。

ちなみに現在では、スマホが音楽プレーヤーとして使われることが多くなっている。なのでメインユニットは今や、スマホをカーオーディオシステムへと繋げる機器、という性格が色濃い。なので最新鋭の各機は、おしなべて“スマホ連携力”が高められている。

市販ディスプレイオーディオの一例(カロッツェリア・DMH-SF900)。

◆現代のクルマは、メインユニットを換えづらくなっている…

ところで昨今は、メインユニットを換えづらい車種が増えている。つまり、そもそも交換するという選択肢が取りづらいケースが多いのだ。

換えづらくなっているポイントは主には2つある。1つは「純正メインユニニットを取り外しにくい車種が多いこと」で、もう1つは「オーディオ以外の役割を負っている場合が多いこと」、これらだ。

というのも最近のクルマでは、「純正メインユニット」が周辺パネルと一体化していることが増えている。なのでそのような純正メインユニットを取り外すのであれば、交換する市販品を取り付ける際には周辺パネルも併せて造形する必要性が生じてしまう。

そして以前なら純正・市販を問わずメインユニットは「DINサイズ」で作られていたが、現代の純正メインユニットの中にはDINサイズではないものが増えていて、外したスペースに市販品が入らなかったり、入ったとしてもスペースが変に余ってしまったりする。

また純正メインユニットを取り外すと、エアコンが使えなくなったり緊急通報システムに影響が出たりする。

市販ディスプレイオーディオの一例(アルパイン・ビッグDA)。

◆メインユニットを交換すると、カーライフの快適性がアップする!

しかし交換できる車種であれば、メインユニット交換は今でもシステムアップの有効策と成り得る。スマホとの連携力が増し使いやすくなったり、より高音質にスマホの音声信号を取り込めたりする。

さらにメインユニット交換は、カーライフの快適性アップにも大きく寄与する。

例えば最新の市販「AV一体型ナビ」へと交換すると、まずは地図が新しくなり起動や操作の反応スピードが速くなり、 さらには画質も良くなる場合が多い。また「ディスプレイオーディオ」についてもスマホとの連携力が一層高まる場合が多く、音楽や映像系以外のアプリも車内で使いやすくなる。また大画面化も可能となる。

今回は以上だ。次回以降は、選択肢のいろいろについて説明していく。お楽しみに。

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