トヨタが4年連続8度目のマニュファクチャラーズを獲得したWRC最終戦ラリージャパンでは、ベストカーが「『モリゾウさんに聞け!』inラリージャパン2024~あなたの質問がベストカーの記事になる~」というトークイベントを行った。「こんなことしゃべっていいの?」という話題がポンポン飛び出す中、なんと次期GR86のエンジンまで明かされることに!?

※イベントの前半レポートはこちら!

文:ベストカーWeb編集部/写真:上原あずみ、トヨタ自動車、ベストカーWeb編集部

■次期GR86はターボなのか?

イベントの途中、「モリゾウさんの遺したいエンジンにトヨタのものがなかった」と嘆く中嶋裕樹副社長(左)。

 11月23日、ラリージャパンの拠点となった愛知県の豊田スタジアムで「『モリゾウさんに聞け!』inラリージャパン2024~あなたの質問がベストカーの記事になる~」というトークイベントが開かれた。

「来場者の質問に、クルマ好きのオジサンでありトヨタのマスタードライバーでもあるモリゾウさんがなんでも答える」という趣旨で開かれたこのイベント、会場に集まった皆さんからは率直な質問が相次いだが、モリゾウさんをはじめとしてさまざまな関係者が熱心に答えてくれた。

 そんな質問の中でもクルマ好きをクギ付けにしたのが、こんな質問。「次期GR86はターボだという噂がある。本当か?」

 この問いに対し、モリゾウさんはスーパー耐久の現場で3気筒ターボのGR86を走らせている「ORC ROOKIE Racing」監督兼ドライバーの大島和也さんにマイクを振った。大嶋さんは「いろんなことを想定していろんなことを試しています」と答えたが、モリゾウさんは満足しない様子。

 代わってマイクを握ったのが、トヨタの中嶋裕樹副社長。「出るのか出ないのかと言われれば、『出す!』」。

 中嶋さんは続けた。「そもそも今年(2024年)の東京オートサロンで、モリゾウさんに『好きなエンジン、遺したいエンジンはなんですか?』と聞いたら、スバルの水平対向とマツダのロータリーっておっしゃったんです。なんとトヨタのエンジンが出てこない。これは由々しき問題です!(会場爆笑)」

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■突然明かされた「X15」「X20」とは?

モリゾウさんに遺したいと思わせるエンジンを出すと宣言する中嶋副社長

 中嶋さんはさらに続けた。驚いたのはここだ。

「モリゾウさんに遺したいエンジンはなんですかと聞いたら、『トヨタの作ったX15とX20』と言わせたい。横か縦かはどうにでもできます。いいものが出来たら世に出す!」

 突然出てきた「X15」「X20」という名前だが、どうやらこれは、トヨタが5月の「マルチパスウェイワークショップ」で公開した2種類の直列4気筒エンジンらしい。今まで呼称が不明だったが、なんと今回のトークショーで、その呼称が(少なくとも現時点では)「X」であることが判明したわけだ。

 この話を聞いていたベストカー編集担当取締役の本郷が「そのエンジンは2025年のオートサロンに出るんですか?」と尋ねたが、モリゾウさんは「(今はあと3か月しかない)11月ですからねえ。検討中でございます」と答えるにとどめた。

 ターボか否かという答えは得られなかったが、トヨタが新たなスポーツエンジンに真剣に取り組んでいることが判明したことは大収穫といえよう。

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■エンジニアはクルマをデカくしたがる!?

日本の道に合ったサイズ感があるとモリゾウさんは語る

 スポーツカーだけじゃなく、小さなクルマに関するやりとりもあった。イベントの終盤、「最近クルマが大きくなっている。オバサンが安心して街乗りできてトヨタを感じられる、ヴィッツのようなクルマは出ないのか」という質問があった。

 これにはモリゾウさん自身が反応した。「本当にいい質問をありがとうございます。とかくエンジニアってクルマを大きく、重く、高くしたがる(笑)」。

「日本の道に合ったサイズ感ってあると思う。それをやれグローバルだの世界の道はこうだの言って(大きくする)」とモリゾウさんが続けると、中嶋副社長がすかさずマイクを握り「大きくデカく重くしたのは私です。ごめんなさい」と答え、会場が爆笑に沸いた(中嶋副社長のために言い添えると、かつて全長2985mmというマイクロカー「iQ」を手がけたのも中嶋さんだ)。

 中嶋副社長は「日本がマザーカントリーの我々ですから、必ずや日本の道に合うクルマを実現したいと思います。ぜひいろんな感想を聞かせてください」と続けたのだが、モリゾウさんが質問者に「どんな使い方されるんですか」と聞くと、「兵庫まで帰るんで高速を3時間半ぶっ飛ばせるクルマがいい」というまさかの答え。これを聞いたモリゾウさんは「だったらLBXのMORIZO RR!」と答えると、これまた会場が笑いに包まれた。

 自動車を作っているメーカーのトップと直接話をする機会はほとんどない。よく晴れた秋空の元、ラリーカーの爆音をBGMに開かれたこのイベントでは、世界屈指の自動車メーカーであるトヨタ自動車の意外な姿を見ることができた。

 トヨタとの距離、クルマとの距離がちょっと近くなった。そう感じさせるひと時だった。

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