ランドクルーザー250は、プラドの上位互換的な位置にあたる。プラドの血が少しでも流れているのならば、ぜひともショートボディの3ドアを復活させてほしい。ややマイナーではあるが、ショートボディのプラドについて振り返っていこう!
文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部
■やや影が薄い3ドアショートボディを覚えているかい?
プラドという車名は、ポルトガル語で「草原」を表す。英語では「広々とした」という意味で、プラドの広い室内空間を表現した名前だ。そんな名前の意味とは逆行するのが、初代から3代目まで設定されていたショートボディである。
今では珍しい存在となる3ドアショートボディのSUVで、乗車定員は5名。リアシートにたどり着くためには、フロントシートを前に倒して乗り込む必要がある。
居住性もそこまで褒められたものではないが、走ることに夢中になり時間を費やすのなら、3ドアのプラドがランクルシリーズの中で、最も適した存在だと思う。
2名乗車で荷物をたくさん積み込み、レジャーやスポーツといった心躍る瞬間には、3ドアプラドは良く似合う。ボディは小さく室内は狭いが、そこにたぎる情熱はプラドの中でも随一だ。
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■ショートボディならではのメリットって?
1996年登場の2代目プラドを例に、5ドアと3ドアの違いを見ていこう。
5ドアのボディサイズは、全長4,690×全幅1,820×全高1880mmだ。対する3ドアプラドは全長4,255×全幅1,820×全高1,880となる。つまり、全長だけが435mm短くなるのだ。ちなみに3代目プラドの場合、通常モデルとショートの全長差は375mmに縮まっている。
このボディサイズの差が生み出すものは、最小回転半径の差と対地障害角の差だ。どちらもオフロード走行においては、無視できない項目である。
5ドアの最小回転半径は5.7m、対して3ドアの最小回転半径は5.1mとなる。また、対地障害角はアプローチアングルこそ両者同値だが、ランプブレークオーバーアングルは3ドアの方が3度大きい32度で、ディパーチャーアングルも3度深い28度だ。モーグル地帯の走行では、3ドアの方が圧倒的に走破性が高くなる。
ちなみに3代目では、ランプブレークオーバーアングルの差が5度に広がる。クロスカントリーモデルにとって、大きくて長いボディは走行性能においては不利にはたらくというわけ。ランクルを使って、本気で山を走りたいと思ったら、プラドの3ドア一択なのだ。
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■コンパクトSUV戦国時代の今こそ需要があるはず!!
小さいクルマが選ばれる傾向が強い昨今。SUVでもその傾向は強く、販売台数が伸びているのはヤリスクロスやカローラクロスといった、比較的コンパクトなクルマたちだ。
3ドアのプラドは、ヤリスクロス以上カローラクロス未満の全長。人生における家族ができる前のひとりの時間、または友達や恋人とクルマを使って遊びを満喫するには、ぴったりのキャラクターだと思う。
国内仕様では4代目で廃止されてしまった3ドア。ぜひともランクル250で復活してほしいところ。または300、250、70に続く、第4のランクルが、3ドアボディのプラドに近しいスペックで登場する可能性もあるかもしれない。
少し不格好にも見えるのだが、慣れてくると愛らしさもあるショートボディ。短いボディには、標準モデル以上の大きな楽しみが詰め込まれているのだ。
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