自動車部品大手のシェフラーは11月27日、欧州における長期的な競争力向上を目指し、構造改革計画を発表した。この計画では、ドイツ以外の欧州4拠点が影響を受けることが明らかになった。

改革の主な対象となるのは、ベアリング・産業ソリューション部門だ。同部門は、継続的な経済の弱さや構造的な問題、さらには激化する競争に直面している。また、自動車サプライヤー業界で進行中の変革、特に欧州における内燃機関技術製品の需要減少も、この措置の一因となっている。

シェフラーは、欧州全体で合計4700人の人員削減を計画している。そのうち約2800人がドイツ、1900人がドイツ以外の欧州拠点での削減となる。生産拠点の移転により、欧州での純減は約3700人になる見込みだ。

具体的には、オーストリアのベルンドルフ工場の閉鎖、ルーマニアのブラショフ工場での生産体制の再編、スロバキアのキスツェ工場での人員構造の見直しと生産ラインの追加、イギリスのシェフィールド工場の閉鎖が計画されている。

オーストリアのベルンドルフ工場では、主に商用車向けのホイールベアリングやギアボックスベアリングを生産していたが、アジアメーカーとの競争激化により、コスト面での課題に直面していた。英国シェフィールド工場では、クラッチシステムを生産していたが、自動変速機の普及や電動化の進展により、需要が減少していた。

シェフラーは、これらの措置を2025年から2027年にかけて、可能な限り社会的公平性を考慮しながら実施する意向を示している。今後、影響を受ける拠点の従業員代表や欧州従業員代表委員会との法定協議に入る予定だ。

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